大河・和歌川の河口付近に広がる、和歌浦(わかのうら)。
ここは、いにしえの万葉の時代から多くの歌人に愛された景勝地です。
砂でできた細長い半島、由緒ある古社、海に浮かぶ小島など、いろんな要素が組み合わさってできあがった、美しい風景が魅力です。
和歌浦の見どころ
和歌浦とは、一般には、和歌川河口付近一帯を指します。
このそれほど広くないエリア内に、さまざまな種類の景勝要素がギュッと凝縮。
主なエリアは、砂の半島・片男波(かたおなみ)、古社・玉津島神社周辺、そして、海に浮かぶ小島・妹背山(いもせやま)です。

片男波
和歌川の河口付近から、海に向かって細長くのびる不思議な地形。
川の上流から運ばれてきた土砂が長年の間に堆積してできた砂の半島、それが片男波です。
少し離れた地点から眺めてみると、海に向かって突き出たその特徴的な形がよくわかります。


片男波のうち、和歌湾に面した西側は、美しい白い砂浜が続きます。
ここは、関西有数の海水浴場でもあります。夏には、大阪など関西各地から大勢の人が訪れます。
また、東側は、芝生が一面に広がる公園。園内の遊歩道に沿って、半島の先まで歩いていくことができます。

玉津島
片男波の北、砂の半島の根元近くは玉津島と呼ばれます。
この周辺は、6つの山(玉津島六山)が、まるで玉のように海に浮かんでいたそう。
このエリアの中心は、万葉の頃から知られる玉津島神社。
聖武天皇や豊臣秀吉など、歴史上の著名人も数多く参詣した由緒ある社で、「和歌の神さま」としても知られます。


玉津島の東隣には、鹽竃神社(しおがまじんじゃ)。
巨大な岩盤の側面にできた大きな洞穴の中に、ご神体が鎮座しています。安産・子授けの神さまです。

鹽竃神社の正面には、趣のあるアーチ形の石橋が架けられています。
これは不老橋。江戸時代末期の1851年、紀州徳川家によって作られた橋です。
玉津島神社・鹽竃神社を背にして美しいアーチを描くこの橋は、和歌浦を代表する風景の1つです。

妹背山
妹背山(いもせやま)は、「山」という名がつくものの、実際は「島」。
和歌川の河口付近、陸からもうすぐそこという近い位置に、ポツンと浮かぶ小さな小島です。
玉津島六山の1つ。5つの島山は現代では地続きになっていますが、この妹背山だけは、今も海に浮かんでいます。
この妹背山へは橋を渡っていくことができます。その橋は三断橋、初代紀州藩主・徳川頼宣によって架けられた石橋です。

妹背山の三断橋と真反対の位置には、美しい海を眺められる観海閣があります。こちらも徳川頼宣により建てられました。
ただし、当時のものは台風で崩壊。現在の建物は戦後の再建です。

観海閣の近くには海禅院というお寺があります。お寺の唯一の伽藍、多宝塔が残ります。
海禅院から妹背山の山頂にも登ることができます。小さな丘のような妹背山、山頂まで5分ほどで到着です。
山の頂からは、片男波から玉津島神社まで、和歌浦の主要エリアを一望できます。

和歌浦の基本情報
住所:和歌山県和歌山市和歌浦中
アクセス:(JR)和歌山駅・(南海)和歌山市駅から和歌山バス、和歌浦バス停下車
ホームページ:和歌の浦観光協会