玉津島神社|古より知られる景勝地に鎮座する和歌の神(和歌山名所巡り)

玉津島神社 神社(和歌山)

和歌山市の南部、和歌川の河口に広がる和歌浦(わかのうら)は、いにしえの頃より知られる景勝地です。

この和歌浦の中心に鎮座するのが、今回ご紹介する玉津島神社(たまつしまじんじゃ)。

古代の万葉集にも登場するこの神社。奈良時代の聖武天皇から、天下統一を果たした豊臣秀吉まで、歴史上の有名人が多数訪れています。

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玉津島の由来

その昔、この一帯では、6つの島山(玉津島六山)があたかも玉のように海中に点在していたとされます。

この景色が、「玉津島」という地名の由来と言われています。

なお、当時と今では地形がかなり異なっており、現在では、6つの島山のうちの5つは陸続き。

今も海に浮かんでいるのは、妹背山の1つのみです。

海に浮かぶ妹背山

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和歌の神を祀る社と万葉の歌人

玉津島神社の創建年代は定かではありませんが、奈良時代の聖武天皇の行幸でその名が登場しています。

玉津島神社

大きな朱色の鳥居をくぐった先の厳かな境内。

正面に見える大きな建物は拝殿。その奥、拝殿に隠れるように、小さな本殿が立っています。

本殿に祀られる神さまは、稚日女尊、息長足姫尊、衣通姫尊に、明光浦霊を加えた四柱。玉津島明神と呼ばれます。

特に、衣通姫尊(そとおりひめのみこと)は、「和歌の神さま」として知られています。

玉津島神社拝殿

また、境内のところどころに、万葉の歌碑が立っています。

例えば、聖武天皇に随行して玉津島を訪れた宮廷歌人、山部赤人(やまべのあかひと)の歌碑。

山部赤人は三十六歌仙の一人にも選ばれている有名な歌人。その歌は、万葉集だけでなく、百人一首にも登場しています。

玉津島神社・万葉歌碑

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玉津島神社の周辺散策

玉津島神社の周辺には、和歌浦の名所旧跡が存在します。また、玉津島という地名の由来ともなった山(島山)も残ります。

玉津島神社参拝の折に、次のスポットにも足をのばしてみましょう。

奠供山

奠供山(てんぐやま)は、玉津島神社の社殿の西に立つ小山。

古の玉津島六山の1つ。ただし、現在は地続きの山です。

奠供山の山頂へ登ることもできます。玉津島神社の境内、拝殿向かって右手に、奠供山への登山口があります。

玉津島神社境内・奠供山登山口

小さな山なので、山頂まで5分そこそこで登れます。

この奠供山の山頂は、大変眺望のよいスポット。

眼下には名勝・和歌浦が広がり、東には紀三井寺が立つ名草山も見えます。

奠供山山頂

鏡山と鹽竃神社

玉津島神社の東にも、岩肌むきだしの小さな山があります。

これは鏡山。こちらも玉津島六山の1つです。

鏡山と鹽竃神社

鏡山の麓には、鹽竃神社(しおがまじんじゃ)という小さな神社があります。

鳥居をくぐって境内に入ると、眼前に鏡山の岩肌。ご神体は、岩盤にできた洞穴の中に置かれています。

鹽竃神社

妹背山

妹背山(いもせやま)鏡山のすぐ東の海に浮かぶ小島。玉津島六山のうち、現在でも陸から離れている唯一の「島」です。

妹背山には、海禅院という小さなお寺があり、多宝塔が残されています。

妹背山

不老橋

玉津島神社・鹽竃神社の南の市町川に、趣ある石のアーチ橋がかかっています。

これは不老橋で、和歌浦のシンボル的な存在の橋です。江戸時代末期、1851年の建築です。

不老橋

玉津島神社の基本情報

住所:和歌山市和歌浦中3-4-26

アクセス:(JR)和歌山駅・(南海)和歌山市駅より和歌山バス乗車、玉津島神社前又は不老橋バス停下車すぐ

駐車場:有

備考:境内参拝自由

ホームページ:玉津島神社・鹽竃神社

玉津島神社地図