大阪市のすぐ南にある堺は、古くから貿易で賑わった都市。中世から近世にかけては、日本有数の貿易港に発展しました。
現代の堺には、昔の繁栄を支えた港が残ります。それが、今回ご紹介する堺旧港です。
中世日本の国際貿易港
中世の堺の港は、外国からの貿易船が数多く来航する、当時の日本を代表する国際貿易港。
室町時代には日明貿易(中国)、戦国時代には南蛮貿易(ポルトガル、スペイン)の拠点となりました。

江戸時代以降、港の賑わいは衰えるものの、それでも改修を受けながら近代まで使われました。
戦後には「堺旧港」として周辺整備が行われ、現在は、散歩や釣りを気軽に楽しむことができる、人々の憩いの場となっています。

堺旧港の見どころ
現在の堺旧港は、大阪湾の奥にさらに深く入り込んだ「小さな湾」のような形をしています。
港内と外の海とをつなぐのは、1本の細い運河のみ。外と隔てられた港の中は、波もなく大変穏やかです。
港の周囲には遊歩道も整備されています。
キラキラ光る水面を眺めながら港内ひとめぐり。海風を感じながらの快適なシーサイドウォークを楽しめます。
堺旧港の主な見どころは二つ。旧堺燈台と龍女神像です。

旧堺燈台
旧堺燈台は、港内と海をつなぐ運河の先端、港の入口に立つ白い灯台。
明治時代初期の1877年、堺港の改修の際に建てられた近代的な灯台です。
また、木造の洋式灯台としては日本最古。国の史跡に指定されています。

建てられてから約100年、昭和の中頃まで灯がともされていたこの灯台。
使われなくなった今も、青い海によく映えるその美しい姿は、堺のシンボルとして親しまれています。

龍女神像
堺旧港の中央、港内を見渡すように立つ、大きな龍女神像。
この像は、実は二代目です。
その昔、近くの大浜公園に水族館があり、そこに初代の龍女神像がありました。しかし、1974年に水族館が閉園した際に、この像も撤去されてしまいました。
その後、堺の市制110周年を記念して復元されたのが、この二代目・龍女神像です。

堺旧港の真ん中に立つ龍女神像、その真下に行くことも可能です。
港の周りをぐるりとめぐって西側に行くと、港内に突き出た小さな緑地があります。この緑地の突端に女神さまが立っています。

堺旧港の基本情報
住所:大阪府堺市堺区北波止町15
アクセス:(南海本線)堺駅から徒歩5分
備考:入場自由
ホームページ:堺旧港周辺地区(堺市ホームページ) 旧堺燈台(堺市ホームページ)