五色塚古墳|目の前に明石海峡、丘の上から淡路島を望む(兵庫名所巡り)

関西で古墳といえば、堺の仁徳天皇陵や飛鳥の石舞台古墳など、大阪や奈良の墳墓が有名ですね。

しかし、兵庫県の神戸にも大きな古墳があることをご存じでしょうか。

今回はその神戸の古墳、五色塚(ごしきづか)古墳をご紹介します。

海沿いにある大型の前方後円墳で、国の史跡に指定されています。

また、丘の上からは明石海峡や淡路島を一望、神戸の好眺望スポットの1つです。

五色塚古墳

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兵庫県下最大の古墳

五色塚古墳は、神戸市西端・垂水区の海岸沿い、明石海峡を見下ろせる丘陵にあります。

墳丘長は194mで、兵庫県下では最大の古墳。

被葬者は不明ですが、古代にこの地を支配した豪族の首長ではないかと考えられています。

また、古墳の築造時期は、古墳時代中期、4世紀の終わり頃と推定されています。

前方後円墳ですので、方形部分(前方部)と円形部分(後円部)がくびれでつながった、鍵穴のような形をしています。

そのレイアウトは、前方部が海側(南側)、後円部が山手側(北側)。

なお、被葬者が埋葬されているのは後円部で、ここが古墳の中で最も重要な部分です。

五色塚古墳の外観

五色塚古墳の見どころ

五色塚古墳は、仁徳天皇陵などの他の多くの古墳とは違い、宮内庁に管理されている古墳ではありません。

そのため、過去には発掘調査も行われ、埴輪など、考古学的に貴重な品が多数出土しました。

ただし、そのときの出土品はここにはなく、現在は神戸市埋蔵文化センターにて保管されています。

五色塚古墳・墳丘

復元された墳丘

五色塚古墳では、発掘調査の結果に基づいて復元整備が行われました。

斜面には無数の石が葺かれ、濠には芝生が敷き詰められた、美しい墳丘。

また、近畿では、大阪・高槻の今城塚古墳とともに、自由に見学ができる数少ない大型古墳です。

墳丘の上に階段で登ることもできます。

丘の上、目の前に広がるのは明石海峡、その向こうにあるのは淡路島。

本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋もばっちり見えます。

五色塚古墳・墳丘からの眺め

前方部

では、五色塚古墳の墳丘に登ってみましょう。

まずは、石と芝生で覆われた古墳斜面を眺めながら、階段で前方部に登ります。

前方部の上は平ら。また、海に向かって開けた開放的な空間です。

その平らな前方部を取り囲むように、縁全周に、円筒埴輪(レプリカ)が並べられています。

1つの埴輪は、大人の腰ぐらいの高さ。

そのような埴輪が、ずらりと並ぶ様はなかなか壮観。
築造当初の姿が再現されています。

五色塚古墳・墳丘前方部

また、埴輪列には、ところどころに上部が開いた大きな埴輪が置かれています。

この大きな埴輪は、その形から、特に「朝顔形埴輪」と呼ばれています。

朝顔形埴輪は、普通の円筒埴輪数本おき、ほぼ等間隔で立てられています。

五色塚古墳・墳丘前方部の埴輪列

後円部

次は前方部の背後にある後円部。
前方部よりも一段高く作られています。

古墳の主は、明石海峡を見下ろす位置にある、この後円部に埋葬されています。

ここは、当時の権力者の力の象徴であったのでしょう。

後円部の頂上は前方部と同じく平らに作られ、その周囲には円筒埴輪が並べられています。

五色塚古墳・墳丘後円部

また、この後円部の上は、360度全周、視界を遮るものがない、開放的な空間です。

目の前には、青い海と淡路島と明石海峡大橋、そして、海峡を航行する大小の船。

背後には、山の麓に広がる神戸垂水の街並み。

心地よい海風を感じつつ、しばし風景を楽しみましょう。

五色塚古墳・墳丘後円部からの眺め

小壺古墳

五色塚古墳の墳丘に登って周囲を眺めると、すぐ西側にこんもりとした緑の丘があることに気づきます。

これも実は古墳。小壺(こつぼ)古墳という名の円墳です。

五色塚古墳から眺める小壺古墳

芝生に覆われた美しい墳丘。

隣の五色塚古墳と比べると小さく見えますが、円墳としては大きく、下段の直径は70mほどもあります。

また、この小壺古墳は、五色塚古墳とともに国の史跡に指定されています。

小壺古墳

五色塚古墳の基本情報

住所:神戸市垂水区五色山4丁目1

電話番号:078-707-3131(五色塚古墳管理事務所)

入園時間:午前9時~午後5時

入園料:無料

定休日:毎週月曜日(12月~3月のみ:4月~11月は開園)、年末年始

アクセス:(JR)垂水駅・(山陽電鉄)垂水駅から徒歩12分

駐車場:無

ホームページ:
五色塚古墳・大歳山遺跡web-site(NPO法人輝かすみが丘)
五色塚古墳(神戸市ホームページ)

五色塚古墳地図

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