1400年以上もの悠久の歴史を誇る、奈良・飛鳥。
今回は、その飛鳥にある丘陵、甘樫丘(あまかしのおか)をご紹介します。
古くは日本書紀にも登場する甘樫丘は、飛鳥の名所の1つ。
のどかな飛鳥の里の風景を一望できる景勝地です。
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ここは蘇我氏の本拠地
甘樫丘は、飛鳥の北にある、南北に長い丘陵。
また、最高点の標高は148mという、小高い丘です。
ですが、周囲が開けたこの飛鳥の里では、どこからでも、この丘を見つけることができます。
ところで、飛鳥時代の前半は、古代の有力豪族・蘇我氏が権力を誇った時期でした。
その蘇我氏の本拠があったのが、この甘樫丘の周辺と考えられています。
まず、甘樫丘の東にあるのは、飛鳥寺。
蘇我馬子によって建立されたお寺で、日本初の仏教寺院とも言われます。
また、丘の麓には、蘇我蝦夷(えみし)と入鹿(いるか)の親子が邸宅を構えていたとも伝わります。
甘樫丘の東に残る東麓遺跡は、現在、その蘇我氏の邸宅跡として有力視されています。
展望台から周辺を一望
さて、現代では、甘樫丘とその周辺は、「国営飛鳥歴史公園・甘樫丘地区」として整備されています。
甘樫丘は小さな丘で傾斜も緩やか。誰でも気軽に登ることができます。
また、丘の中には2つの展望台があります。
そこから大和三山や飛鳥の名所を一望できます。
甘樫丘展望台
2つの展望台のうち、丘の北部にあるのが甘樫丘展望台です。
ここは、北と東に開けた見晴らしのよい場所。
甘樫丘のメインスポットです。
北を眺めれば、古代飛鳥の人々にも親しまれた「大和三山」が勢揃い。
まず、左手に見えるのは畝傍山(うねびやま)。
山のてっぺんが少し右に偏った形が特徴的です。
また、畝傍山の右に見えるのは、耳成山(みみなしやま)。
二等辺三角形の形をした、美しい山です。
一番右側、こんもりとした形の山は、天香久山(あまのかぐやま)です。
展望台から東を眺めれば、のどかな景色の中に散らばる、飛鳥の名所を一望できます。
すぐ近くに見えるのは、飛鳥寺の伽藍。その右手には、板蓋宮跡が広がります。
奥の方には、西国三十三所第七番札所の岡寺や、蘇我馬子の墓とも言われる石舞台古墳もありますが、見えるでしょうか。
川原展望台
もう1つの展望台は、甘樫丘の南側にある川原展望台。
こちらは、甘樫丘展望台とは逆に、西側に開けています。
目の前にあるのは畝傍山。その周囲に橿原の街が広がります。
さらに、その背後には、奈良・大阪の境にそびえる二上山・生駒山などの山々も見えます。
甘樫丘ハイキング
また、甘樫丘の中には遊歩道が整備されています。
木々が生い茂る自然の中でのハイキングも楽しめます。
時間に余裕があれば、甘樫丘をひとめぐりしてみませんか。
所要時間は、30分から1時間程度です。
万葉植物のクイズがあったり、万葉時代の歌碑が置かれていたり。
いにしえの万葉の時代を感じながら、のんびりとお散歩を楽しめます。
甘樫丘の基本情報
住所:奈良県高市郡明日香村大字豊浦788
電話番号:0744-54-2441(国営飛鳥歴史公園・飛鳥管理センター)
アクセス:
(近鉄)橿原神宮前駅・岡寺駅から徒歩25分
(バス利用)近鉄橿原神宮前東口から周遊バス(赤かめ)乗車、「甘樫丘」バス停下車
駐車場:有(川原駐車場・無料)
備考:園内入場自由
ホームページ:国営飛鳥歴史公園 甘樫丘地区