今井町|江戸時代の古民家が数多く残る、風情ある町並み(奈良名所巡り)

奈良県中部の中心都市・橿原市。
古代には藤原京が置かれるなど歴史が古く、現在でも数多くの名所旧跡が残る町です。

この橿原の代表的名所の1つが、今回ご紹介する今井町。

今も江戸時代の古民家が数多く残る、風情ある町並みが魅力です。

今井町

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寺内町から発展した、畿内有数の商業都市

今井町の成立は戦国時代。
元々は、浄土真宗のお寺(称念寺)を中心に門徒が作り上げた寺内町でした。

本願寺の一勢力として、織田信長に対抗するも屈服。

その後は、宗教都市から商人のまちへと変貌を遂げます。
江戸時代には畿内有数の商業都市に発展しました。

その当時の古民家が、今も残されている今井町。

その町並みの美しさなどが評価され、1993年には、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されました。

今井町の古民家

今井町の見どころ

今も500軒以上もの古民家が残る今井町。
国重要文化財に指定されている貴重な建物も数多く存在します。

主な見どころをピックアップしてご紹介していきます。

なお、今井町の古民家の多くは現在も住居として使われています。
そのため、内部見学には制約があるところも多いです。

(見学の詳細は、次の「今井まちなみ交流センター」等でお尋ねください)

今井町の風景

今井まちなみ交流センター「華甍」

今井町の町歩きを有意義なものとするため、歩く前に情報収集しておきたいところ。

そのおすすめの場所は、今井町南東角にある、今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」。

明治時代の近代建築(旧髙市郡教育博物館)を再利用した施設で、建物自体も立派です。

館内には、今井町に関する展示室や映像コーナーあり。
今井町内の散策マップや各民家の見学情報なども入手できます。
入館無料です。

今井まちなみ交流センター華甍

今西家住宅

今井町の西の端に立つ民家。
江戸時代前期の1650年の建築で、国重要文化財指定。

江戸時代、今井町一の名家であった今西家、その邸宅も大変特徴的。

入母屋屋根の妻側に、大小2つの三角の破風が載った造り。
これは「八棟造り」と呼ばれます。

一見、お城のようにも見えるこの邸宅は、今井町のシンボル的な存在です。

今西家住宅

豊田家住宅

今西家住宅と並び、今井町を代表する建物。
1662年の建物で、こちらも国重要文化財指定。

元は材木商の邸宅です。

二階正面の中央には虫籠窓(むしこまど)。
窓の両側には、材木商らしく「木」の文字をあしらった2つの紋があります。

なお、豊田家住宅の西には、「紙半豊田記念館」という施設があります。
豊田家住宅の本家筋に当たる、豊田本家の収蔵品を展示する博物館です。

豊田家住宅

河合家住宅

河合家は、江戸時代の初期から代々酒造業を営んできた名家。
軒先にぶら下がる杉玉がその象徴。現在も営業中です。

建物は江戸時代中期の建築で、国重要文化財指定。
また、ここは内部見学可能です。

河合家住宅

旧米谷家住宅

金物商であった米谷家の旧宅。
江戸時代中期の建物で、国重要文化財指定。

今井町の中では珍しい切妻造りの建物で、農家風の古民家です。

なお、旧米谷家住宅は、現在は橿原市が管理しています。
一般に公開されており、内部見学可能です。

旧米谷家住宅

称念寺

最後に、古民家ではありませんが、今井町の見どころをもう1つ。

称念寺は、浄土真宗本願寺派の寺院。

最初は寺内町として成立した今井町。称念寺はその中核となったお寺です。

通りに面して立つ山門は、がっしりとした造りの四脚門。
桜井多武峰(とうのみね)の談山神社から移築されたものです。
山門の横には、特徴的な意匠の太鼓楼が立っています。

境内には、江戸時代初期の建立とされる本堂。国重要文化財指定。
正面幅・奥行きともに約20mという、大きな仏堂です。

なお、称念寺本堂では、現在、大規模な修復工事が行われています。
工事完了予定は2022年です。

称念寺

今井町の基本情報

住所:奈良県橿原市今井町

電話番号:0744-24-8719(今井まちなみ交流センター華甍)

アクセス:
(近鉄)八木西口駅から徒歩5分、大和八木駅から徒歩10分
(JR)畝傍駅から徒歩8分

備考:内部見学可能な古民家は一部に限られる
(各民家の見学情報の詳細は下記ホームページ等参照)

ホームページ:
今井町(かしはら探訪ナビ)
橿原市観光協会サイト「さらら」
称念寺

今井町地図

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