奈良盆地の南部に位置する橿原は、近隣の飛鳥とともに、古くから知られた歴史ある地。
多くの歌人に詠まれた大和三山があり、都(藤原京)も置かれました。
その大和三山の1つ、畝傍山の麓に大きな社が鎮座しています。
これが、今回ご紹介する橿原神宮です。
初代・神武天皇を祀る神社
日本にはたくさんの神社がありますが、その中でも「神宮」と名のつくのは、昔の天皇や天皇の祖先神を祀る神社に限られます。
天照大神(アマテラス)を祀る伊勢神宮が有名。他にも、東京の明治神宮(祭神:明治天皇)や京都の平安神宮(祭神:桓武天皇・孝明天皇)などがあります。
畝傍山の山麓に立つ橿原神宮も、そのような神社の1つ。ここは、日本神話に登場する伝説の人物、初代・神武天皇を祀る神社です。
なお、畝傍山周辺は、神武天皇が即位した橿原宮があった場所とされるなど、神武天皇ゆかりの地。近くには神武天皇陵もあります。


橿原神宮の境内見どころ
橿原神宮の創建は明治23年。畝傍山の南東の麓、神武天皇の橿原宮の推定地に社殿が造営されました。
広い境内の周囲には入口がいくつか存在しますが、やはり、一の鳥居が立つ正面・表参道からの参拝がおすすめ。
表参道の入口は境内南東、近鉄橿原神宮前駅からすぐです。

まっすぐのびる幅広の表参道
大きな一の鳥居から先、まっすぐにのびる幅広の表参道。道の両側には無数の灯籠が並びます。
森に囲まれた閑静な境内、参道を奥へ歩くにつれて、自然と身がひきしまってきます。

神域への入口、南神門
表参道を進むと、右手に立派な八脚門が見えてきます。これは南神門、本殿が鎮座する神域への入口です。
手前の手水舎で身を清めてから、この神門をくぐりましょう。

畝傍山を背にした厳かな空間
南神門をくぐって中に入ると、その先は、白い砂利が一面に敷き詰められた厳かな空間。
ここに、畝傍山を背にして、外拝殿、内拝殿、弊殿、本殿などの社殿が並びます。

まず目に入るのは、外拝殿(げはいでん)。入母屋造りで、どっしりと重量感のある社殿です。
外拝殿向かって右手には、大人の背よりも大きな巨大絵馬。その年の干支の動物が描かれています。

外拝殿の拝所の奥に立つのは内拝殿(ないはいでん)。
普段の参拝では外拝殿の奥へ入ることはできませんが、初詣の時期には内拝殿前で参拝ができます。
内拝殿の屋根から突き出して見える千木(ちぎ)は、奥に立つ弊殿(へいでん)のものです。
弊殿のさらに奥に本殿がありますが、正面からはほとんど見えません。
なお、本殿は、京都御所からの移築されたもので、国重要文化財の指定を受けています。

橿原神宮の境内ひとめぐり
橿原神宮の境内は、社殿の周囲に美しい池や緑豊かな森林が広がる、自然を感じられる空間です。
参拝を終えたら、広い境内をひとめぐりしてみましょう。
社殿の南に大きな池が広がります。これは深田池。池をまたぐ道も架けられており、対岸まで歩いていくこともできます。
社殿の東側には、広大な森林遊苑。境内には遊歩道も整備されており、快適な散策が楽しめます。

また。すぐそばの畝傍山に登ることもできます。
森林遊苑北側の北参道途中に、畝傍山への登山口があります。


橿原神宮の基本情報
住所:奈良県橿原市久米町934
アクセス:(近鉄)橿原神宮前駅から徒歩10分
駐車場:有
備考:境内参拝自由
ホームページ:橿原神宮