義仲寺|木曽義仲公の隣で眠る、「俳聖」松尾芭蕉(滋賀名所巡り)

今回ご紹介する義仲寺(ぎちゅうじ)は、滋賀県大津市、琵琶湖の南端近くにあるお寺です。

寺名にある「義仲」とは、平安時代末期、京を席巻した源(木曽)義仲のこと。

ここは、木曽義仲を弔うお寺であり、境内は国の史跡にも指定されています。
知る人ぞ知る滋賀の歴史スポットの1つ。

また、湖南を愛した「俳聖」松尾芭蕉ゆかりのお寺としても知られています。

義仲寺

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ここは木曽義仲最後の地

木曽義仲は、平安時代末期の源氏の武将です。

平氏の世が揺らぎ始めた平安時代末期、平氏打倒を掲げて信州で挙兵。
北陸で平氏の大軍を破り、その勢いで京も席巻。平氏を西国へ追い落とします。

しかし、その栄華は長く続きませんでした。

京を制圧してほどなく、同じ源氏である鎌倉の源頼朝と対立。
頼朝の弟、源範頼・義経率いる鎌倉の追討軍を、京の近郊、宇治川や瀬田で迎え撃つも敗退します。

最後はこの地で討たれ、31歳という短い生涯を閉じました。

その墓所近くに建てられたのがこの義仲寺です。

側室の巴御前が、義仲の菩提を弔うために結んだ庵が、お寺の始まりであるとも伝わります。

義仲寺境内

義仲寺境内の見どころ

現在は、国の史跡に指定されている義仲寺。
義仲公の墓所など、歴史スポットなど見どころの多い境内です。

本堂(朝日堂)

境内入って右手に立つ朝日堂。
義仲寺の本堂にあたる建物です。

ここに祀られる義仲寺の本尊は、聖観世音菩薩。
堂内の厨子には義仲公の木像も納められています。

義仲寺本堂(朝日堂)

義仲公墓所と巴塚

境内のほぼど真ん中に立つ宝篋印塔。
これが義仲公の墓所。木曽塚とも呼ばれています。

義仲寺・義仲公墓所

義仲公墓所の左には小さな石の塚。これは巴塚。
義仲死後、その菩提を弔ったとされる側室・巴御前の供養塔です。

義仲寺・巴塚

松尾芭蕉ゆかりのお寺

義仲寺は、松尾芭蕉ゆかりの地としても知られます。

湖南地方をこよなく愛した松尾芭蕉、特に好んで逗留したのがこの義仲寺です。
境内には、芭蕉ゆかりのスポットもいろいろ残ります。

まずは、芭蕉の墓所「芭蕉翁墓」。義仲公墓所の右に建てられています。
松尾芭蕉は、大坂にて50歳で亡くなりましたが、その遺言により義仲寺に葬られました。

現代では世界的にも知られる俳聖は、今もこの地で、義仲公の隣に眠っています。

義仲寺・芭蕉翁墓

境内右奥には、芭蕉翁の像を安置する茅葺き屋根のお堂、翁堂。

また、境内左手には、芭蕉が句会を催したてされる、無名庵という建物もあります。

義仲寺・翁堂

また、義仲寺境内のあちこちに、芭蕉やその門人たちの句碑が建てられています。

文字がかすれてわかりにくいものもありますが、拝観時にもらえるお寺のパンフレットを参考にしつつ、境内をくまなく探してみましょう。

義仲寺句碑(古池や蛙飛び込む水の音)

義仲寺の基本情報

住所:滋賀県大津市馬場1丁目5−12

電話番号:077-523-2811

拝観時間:午前9時~午後5時(冬期は午後4時まで)

定休日:毎週月曜日(4月、5月、9月、10月、11月は開門)

拝観料:大人300円 中学生150円 小学生100円

アクセス:(JR・京阪)膳所駅から徒歩10分

義仲寺地図

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