大阪城西の丸庭園|芝生広がる園内に残る3つの遺構(大阪名所巡り)

中央に五層の天守閣がそびえる大阪城公園
その天守閣の西側に広がるのが、西の丸庭園です。

ここは、その名の通り、大坂城の西の丸があった場所。
今は、美しい芝生が一面に広がる開放的なエリアです。

大阪城西の丸庭園

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本丸に次ぐ重要エリア、西の丸

豊臣秀吉が築いた巨城・大坂城。
城内は、本丸をはじめ、大小さまざまな曲輪(くるわ)に分かれていました。

その大坂城の中で、西の丸は本丸に次ぐ重要曲輪。
豊臣時代の大坂城では、秀吉の弟、豊臣秀長がここに屋敷を構えました。
秀吉の正妻・高台院(ねね)も一時期ここに住んだそう。

また、徳川時代に再建された後は、直轄地大坂を治める幕府の要職、大坂城代の屋敷が置かれました。

昔の西の丸跡

巨大な芝生広場・西の丸庭園

現代の西の丸は、敷地のど真ん中を芝生に覆われた開放的な公園。
まさに巨大な「芝生広場」です。

園内からは、東側にそびえる天守閣の他、周りに林立する大阪のビル群もよく見えます。

芝生広がる西の丸庭園

また、ここは大阪を代表する桜の名所の1つ。春は花見客で賑わいます。

初夏~秋は、子供たちの遠足やご家族でのピクニックにも最適。
芝生の上に腰を下ろして天守閣を眺めながら、お弁当を広げる光景をよく見かけます。

なお、西の丸庭園への入口は、大阪城公園の南側(二の丸南部)にあります。
大人は入園有料(200円)ですが、中学生以下のお子さんは無料です。

秋の西の丸庭園

園内に残る3つの大坂城遺構

一方で、西の丸庭園には、江戸時代に再建された徳川大坂城の遺構も残されています。

特に注目は、西の丸の外周近くに立つ次の3つの建物。
園内をひとめぐりしながら訪れてみましょう。

千貫櫓

西の丸庭園の西南に立つ二層の櫓。
江戸時代初期、1620年の建築。国重要文化財指定。

この千貫櫓は、大坂城の正面・大手口を守る重要な櫓です。

西の丸庭園・千貫櫓

大手門側から見ると、その重要性がよくわかります。

大手門の左側に張り出して建てられている千貫櫓。
門に殺到した敵に対して、横から鉄砲や矢を浴びせることができるのです。

大手口から眺める千貫櫓

乾櫓

西の丸庭園の北西の隅に立つ櫓。
こちらも1620年の建築物で、国重要文化財指定。

乾櫓も二層の櫓ですが、その形はかなり変わっています。
お城の角の形状に沿ったL字形の櫓です。

西の丸庭園・乾櫓

デザインもなかなか個性的です。
堀の外側からも眺めてみましょう。

櫓の屋根にはいくつもの破風(はふ)がついています。
石垣の隅に立つその姿からは、「邸宅」のような印象も受けます。

堀の外から眺める乾櫓

焔硝蔵(えんしょうぐら)

西の丸庭園の北東に残る焔硝蔵は、鉄砲や大砲に使う火薬類の貯蔵庫です。
こちらは1685年の建築。国重要文化財指定。

日本にある数多くの城の中でも、焔硝蔵が現存しているのはここだけです。

西の丸庭園・焔硝蔵

今も昔も、爆発の危険性のある火薬の貯蔵には細心の注意が必要。
実際、大坂城では、別の焔硝蔵が大爆発を起こしたこともありました。

その教訓から、火薬の爆発にも耐えうるよう、この焔硝蔵の壁は分厚い石造りとなっています。

焔硝蔵入口

大阪迎賓館の「黄金茶室」

西の丸庭園に広がる芝生の奥に、御殿風の建物が立っています。
これは、大阪迎賓館。1995年のAPEC大阪開催の際に建てられました。

「迎賓館」という名を残しますが、現在は一般の方でも利用可能。
結婚式や宴会などに使用されています。

西の丸庭園・大阪迎賓館

また、迎賓館の東側部分は休憩所となっており、誰でも無料で利用できます。

この休憩所には、秀吉時代の茶室を模した「黄金茶室」があります。
写真撮影可で、観光客にも人気のスポットです。

西の丸庭園・休憩室の黄金茶室

西の丸庭園の基本情報

住所:大阪市中央区大阪城2(大阪城公園内)

電話番号:06-6941-1717

開園時間:
(3月~10月)午前9時~午後5時
(11月~2月)午前9時~午後4時半

入園料:大人200円(中学生以下は無料)

定休日:毎週月曜日 年末年始

アクセス:
(大阪メトロ)谷町四丁目駅から徒歩10分 森ノ宮駅から徒歩15分
(京阪)天満橋駅から徒歩10分
(JR)森ノ宮駅から徒歩15分 大阪城公園駅から徒歩20分

ホームページ:大阪城パークセンター

西の丸庭園地図

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