薬師寺|朱色の再建大伽藍に残る、薬師三尊と国宝東塔(奈良名所巡り)

奈良・平城宮跡の西、「西ノ京」にある薬師寺は、興福寺と並ぶ法相宗の大本山。
天武天皇の勅願寺で、創建は奈良時代よりも前の白鳳期。

その後、平城遷都の際に現在地へ移転し、南都七大寺の1つにも数えられました。

薬師寺

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薬師寺の見どころ

薬師寺の一番の見どころは白鳳伽藍。金堂、東塔、西塔、講堂をぐるりと回廊が取り囲む伽藍構成です。
<白鳳伽藍は拝観有料>

ほとんどは近年の再建で、朱色で統一された美しい伽藍です。ただし、東塔と東院堂の2つは、古くからの建物です。

白鳳伽藍

金堂

白鳳伽藍の中心的な建物。1976年の再建。
お堂は新しいものの、その中には大変貴重な仏像が安置されています。
薬師寺本尊の薬師如来と、日光菩薩・月光菩薩の薬師三尊像。
白鳳期の仏像で、3体とも国宝指定です。

金堂

東塔と西塔

金堂の左右両側に同じ形の2つの塔が立ちます

右手に立つのが東塔。
平城京移転後に建てられた奈良時代の建築物で、薬師寺の中で最古。国宝指定。

三重の塔ですが、各層屋根の下にもこしと呼ばれる大きな庇がついているため、六重の塔にも見えます。

なお、東塔では12年の長きにわたって大規模な解体修復工事が行われていましたが、このほど無事完了。
2020年(令和2年)5月に落慶法要が行われる予定です。

東塔と反対側、金堂の左手に立つのは西塔。こちらは1981年の再建。
鮮やかな塔ではありますが、塔自体のデザインは東塔と同じです。

東塔と西塔

大講堂

金堂の背後に立つ大きなお堂。薬師寺で最大サイズを誇ります。2003年の再建。

堂内には巨大な3体の仏像が安置されています。中尊は弥勒さまで、3体合わせて「弥勒三尊」と呼ばれています。

大講堂

東院堂

これは近年再建された建物ではなく、鎌倉時代の建築物。国宝指定。
堂内のご本尊は聖観音菩薩。薬師三尊と同じく白鳳期の仏像で、こちらも国宝指定。

なお、東院堂は、東塔の東、回廊の外にあります。見落としやすいのでご注意ください。

東院堂

食堂

2017年に再建された、薬師寺の中で最も新しい建物。元々はお寺のお坊さんが食事をするためのお堂です。
堂内中央には、色彩鮮やかな阿弥陀三尊の絵が置かれ、周囲の壁には、中国からの仏教伝来の様子が一面に描かれています。

食堂

薬師寺には伽藍がもう1つあり

薬師寺には、白鳳伽藍の他にも伽藍があります。
それが、薬師寺の北側の境内に立つ、玄奘三蔵院伽藍。
<拝観有料:白鳳伽藍とは別料金>

玄奘三蔵とは、三蔵法師のことで、法相宗とのゆかりも深い人物。
その三蔵法師の遺骨が、伽藍中央に立つ八角円堂・玄奘塔に納められています。

また、八角円堂の奥には、平山郁夫の渾身作「大唐西域壁画」があります。こちらも見どころ。

玄奘三蔵院伽藍

薬師寺の基本情報

住所:奈良県奈良市西ノ京町457

電話番号:0742-33-6001

アクセス:近鉄西ノ京駅より徒歩すぐ

定休日:なし

ホームページ:薬師寺

薬師寺地図

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