唐招提寺|鑑真創建の古刹、その境内は国宝だらけ!(奈良名所巡り)

奈良時代創建の古刹、唐招提寺。
開基は、当時の中国(唐)から日本へ渡ってきた名僧・鑑真和上。
現在は、鑑真和上の教えを守る律宗の総本山です。

なお、お寺の周辺は昔の平城京の右京が存在した場所であり、今でも「西の京」と呼ばれています。
唐招提寺は、近隣の薬師寺とともに、西の京を代表する名所です。

唐招提寺

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唐招提寺の見どころ

唐招提寺には、金堂・講堂など、古くは奈良時代創建時からの貴重な文化財が数多く残ります。
境内で目にする建物・仏像の多くが国宝。まさに「国宝だらけ」の境内です。

金堂

入口の南大門をくぐった先、境内中央にどっしりと座る金堂。
奈良時代の天平文化を代表する建物。国宝指定。
屋根の左右に取り付けられた大きな2つの鴟尾(しび)も特徴です。

金堂

金堂の正面には8本の太い丸柱が横一列に並び、丸柱と母屋との間は吹き抜け。
これは、ギリシャの神殿など、古代の西洋建築でも見られる構造です。

金堂の中には、数多くの仏像が安置されていますが、特に三体の巨大仏に注目。
その三体とは、中央の盧舎那仏坐像、向かって右の薬師如来立像、左の千手観音立像。
三体とも全て国宝に指定されています。。

金堂の正面柱

講堂

金堂の真後ろの、横に長いお堂が講堂。

この講堂は、昔の平城宮に存在した東朝集殿を移築・改築したもの。
平城宮の遺構として残る唯一のもので大変貴重。こちらも国宝指定。

講堂

鼓楼

金堂・講堂近くにある二層の楼閣。国宝指定。
「腰巻き」のような高欄が巡らされ、金堂や講堂などの「どっしり型」とは打って変わった、個性的で軽妙なデザイン。

毎年5月19日に行われる、唐招提寺の一大行事「うちわまき」では、鼓楼の上からハート型のうちわ(宝扇)がまかれます。

鼓楼

経蔵・宝蔵

お経や書物を保管する経蔵と、宝物などを保管する宝蔵。ともに国宝指定。

また、経蔵と宝蔵は、校倉造り(あぜくらづくり)の高床式倉庫。
断面三角形の木材をうまく組み上げて作られています。

東大寺の倉庫であった正倉院が有名ですが、ここの経蔵・宝蔵も校倉造りの代表例です。

経蔵・宝蔵

その他の要チェックスポット

国宝の金堂や鼓楼などに目を奪われがちな唐招提寺の境内。
しかし、この境内には、他にも、ぜひ訪れておきたい要チェックスポットあり。

戒壇

その昔、出家して仏教徒になるためには、受戒という儀式を通過する必要がありました。
そもそも、中国(唐)から鑑真和上がはるばる日本にやってきた目的は、日本人に戒を授けるためだったのです。

この受戒の儀式を行う場所が戒壇。
日本で最初に戒壇が作られたのは東大寺ですが、戒律を重視した鑑真の唐招提寺にも戒壇は存在しました。
現在の唐招提寺の境内には、昔の戒壇の跡が残ります。

戒壇

鑑真和上御廟

唐招提寺の祖、鑑真和上のお墓です。
金堂や講堂などが立つ唐招提寺の伽藍中心からは少し離れたところにあります。

杉林を通り抜け、鯉が泳ぐ池を渡った先が、鑑真和上が眠る静寂な空間。
御廟に立つ石塔の前でそっとお手を合わせましょう。

鑑真和上御廟

新宝蔵

唐招提寺の宝物館。期間限定で公開。
仏像を中心に、唐招提寺が所有する文化財が収蔵されています。

一番の注目は、解体修理の際に金堂屋根から取り外された、左右2つの鴟尾。
鴟尾は2つとも国宝指定。特に、屋根西側の鴟尾は奈良時代創建時のものです。

新宝蔵

唐招提寺の基本情報

住所:奈良市五条町13−46

電話番号:0742-33-7900

アクセス:(近鉄橿原線)西ノ京駅から徒歩10分

ホームページ:唐招提寺ホームページ

唐招提寺地図

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