法輪寺|のどかな斑鳩の里と調和した再建三重塔(奈良名所巡り)

奈良県の斑鳩(いかるが)は、田園風景が広がるのどかな里。
そこには、聖徳太子建立の法隆寺をはじめ、いくつもの古代寺院が残ります。

その1つが、今回ご紹介する法輪寺(ほうりんじ)。
シンボルは、お寺の外からでもよく見える、美しい三重塔です。

法輪寺

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飛鳥時代創建の古寺と再建三重塔

法輪寺は、斑鳩を代表する古寺の1つ。

現在は、近隣の法隆寺法起寺と同じ、聖徳宗(しょうとくしゅう)のお寺です。

創建については不明な点が多いお寺ですが、7世紀の中頃、飛鳥時代の後期には少なくとも存在していたと考えられています。

一説には、聖徳太子の子、山背大兄王(やましろのおおえのおう)が、太子の病気平癒を祈願して建立したとも伝わります。

法輪寺境内風景

さて、この法輪寺には、戦前まで、7世紀建立とされる古い三重塔がありました。

この三重塔は、法隆寺五重塔・法起寺三重塔とともに、「斑鳩三塔」とも呼ばれました。

しかし、残念ながら、戦時中の1944年、この古塔は落雷で焼失。

その後、1975年(昭和50年)になって、ようやく再建されたのが、現在境内に立つ三重塔です。

戦後の再建とはいえ、建てられてからすでに40年以上を経た、新・法輪寺三重塔。

いまでは、周囲に広がる、のどかな斑鳩の里の風景とすっかり調和しています。

法輪寺三重塔遠景

法輪寺の境内見どころ

現在の法輪寺の境内には、再建された三重塔の他に、金堂・講堂などの建物が残ります。

南の表門をくぐった正面に講堂、向かって左に三重塔、右に金堂、シンプルに整った伽藍配置です。

法輪寺境内

三重塔

境内左手の三重塔。
焼失した昔の旧塔と同じ場所に建てられています。

この塔下の心礎には、旧塔から掘り出された仏舎利が納められています。

また、塔内には、釈迦如来像と四天王像が安置されています。

法輪寺三重塔(左手)

再建後、何十年の月日を経て、当初の鮮やかさが適度に消えた、新・三重塔。

近隣の法起寺三重塔とはまた違った趣を醸し出しています。

なお、三重塔は通常非公開ですが、特別展などで内部公開される場合があります。

法輪寺三重塔

金堂

一方の境内右手、三重塔と向かい合うように立つ金堂。

三重塔とは対照的に、寄棟造、裳階付きの少々ずんぐりとした建物。
こちらは、江戸時代中期の1761年の再建です。

なお、多くのお寺で、金堂は、その寺のご本尊の仏像を祀る、重要なお堂です。

この法輪寺においても、新しい講堂(収蔵庫)ができる以前は、この金堂に、法輪寺本尊の薬師如来像が安置されていました。

法輪寺金堂

講堂(収蔵庫)

正面に見えるのは講堂。

この講堂は、戦後、耐火構造を備えた建物に改築され、現在は、収蔵庫として使用されています。

講堂内には、仏像をはじめとする、法輪寺の寺宝が収蔵されています。

中でも注目は、法輪寺本尊、薬師如来坐像。
クスノキ一本造りの飛鳥時代の傑作で、国重要文化財に指定されています。

その他、同じく飛鳥時代作の虚空蔵菩薩立像や、像高4mの巨大な十一面観音菩薩立像など、国重文にも指定されている貴重な仏像が数多く残されています。

法輪寺講堂(収蔵庫)

妙見堂

最後のもう1つ、境内右奥、大きな講堂の陰に隠れるように立つ小さなお堂。

これは妙見堂です。

お堂自体は2003年に建てられたものですが、堂内には、秘仏・妙見菩薩像が安置されています。

妙見菩薩像は、毎年4月15日の妙見会式など、年に数回、特別に開扉されます。

法輪寺妙見堂

法輪寺の基本情報

住所:奈良県生駒郡斑鳩町三井1570

電話番号:0745-75-2686

拝観時間:(3月~11月)午前8時~午後5時 (12月~2月)午前8時~午後4時半

定休日:なし

拝観料:大人500円 中高生400円 小学生200円

アクセス:
(JR)大和小泉駅から徒歩30分 法隆寺駅から徒歩35分
(バス利用)近鉄郡山駅・筒井駅から奈良交通バス乗車、「中宮寺前」バス停下車徒歩15分

駐車場:表門近くに無料駐車場有り

ホームページ:奈良斑鳩 法輪寺

法輪寺地図

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