神社について(社殿)|鳥居の先は神域、奥の本殿には神が宿るご神体

拝殿 神社の知識

前回まで、神社で祀られる神さま(祭神編その1祭神編その2)について、いろいろお話ししてきました。

今回は、それに続く神社編の第3回。神社の境内に立つさまざまな建物(社殿)についてご紹介します。

厳かな雰囲気漂う神社の境内は、神さまがおわす「神域」。

俗界から護るため、また、人々が神さまを崇拝するため、境内にはさまざまな建造物があります。

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鳥居

神社の入口に立つ鳥居。

神さまがおわす神域と人間が暮らす俗界との境界を示す「門」のような役目を果たします。

また、鳥居は神社のシンボル。大きな鳥居が立つ神社も少なくありません。

京都・平安神宮の朱色の大鳥居などが有名です。

京都・平安神宮の大鳥居

また、昔の鳥居には木でできたものが多いですが、石で作られた鳥居も時折見かけます。

朱色に塗られた鳥居と比べて、やや地味な印象がある石の鳥居。

しかし、焼失や劣化に強いのが、石鳥居の大きな利点です。

京都の八坂神社をはじめ、日本各地に年代の古い石鳥居が残されています。

京都・八坂神社の石鳥居

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手水舎

鳥居をくぐった先は神聖な境内。

ご本殿の神さまに参拝する前に、俗界での穢れ(けがれ)を落とさなくてはなりません。

そのための場所が、手水舎(てみずしゃ、ちょうずしゃ)です。

たいていの神社では、参道の脇に置かれている手水舎。まずここで手を清めてから、本殿へ向かいましょう。

なお、手水舎での清めの作法については、次回の「参拝作法」でご説明します。

神社について(参拝作法)|手水に拝礼、覚えておきたい神社参拝の基本
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手水舎

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本殿

神さまは、何らかの「もの」に宿った状態で存在するとされています。

この神さまが宿ったものが「ご神体」。そして、ご神体が置かれる建物が、参道の先に鎮座する本殿です。

つまり、本殿は神さまのおわす場所、神社の中で最も重要な建物です。

なお、多くの神社では、一般の人は本殿に入ることができず、ご神体を見ることも許されません。

ここが、美術工芸品として公開されることも多いお寺の仏像との、大きな違いです。

本殿

神が宿るご神体(依り代)は、神社によって異なります。

ご神体に多いのは鏡や剣ですが、創建の古い神社の中には、木や岩、滝などの自然物をご神体としているところもあります。

さらに、本殿がない神社もあります。

例えば、奈良の大神神社(おおみわじんじゃ)は、背後の山(三輪山)そのものがご神体。そのため境内に本殿はなく、ご神体の山の前に拝殿があります。

本殿のない大神神社

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拝殿

多くの神社では、本殿の前に拝殿があります。祭祀・拝礼を行うための建物です。

拝殿の前には賽銭箱や鈴があり、ここから、奥の本殿に参拝します。

拝殿は本殿よりも大きい場合が多いです。そのため、正面からは、本殿は拝殿の後に隠れて見えないこともよくあります。

拝殿

また、一般的な神社では、奥の本殿と手前の拝殿は別の建物となっています。

ただし、東照宮の権現造(ごんげんづくり)や八坂神社の祇園造(ぎおんづくり)のように、本殿と拝殿が一体化されたものもあります。

また、どこの神社でも拝殿があるわけではありません。小さな神社では本殿しかないことも多いです。

祇園造(八坂神社)
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摂社・末社

大きな神社では、本殿(本社)の他に、境内に小さな社が置かれていることがあります。

この社は、摂社、または、末社と呼ばれます。

本社に従属する社ではありますが、祀られている神さまが異なる、小さくはあっても別の神社です。

摂社・末社の神さまは、本社の祭神と関連する神さまであることも多いのですが、全く無関係であることもあります。

ある神社が近くの別の神社に合併され、合併先の摂社・末社となった場合が典型的な例です。

摂社・末社

以上、神社の社殿について簡単にお話ししました。

普段何気なく参拝されている方も、それぞれの社殿の目的を知れば、神社の参拝がさらに楽しいものとなるかもしれませんね。

次回は、神社編の最終回、神社の参拝作法についてご説明します。

神社について(参拝作法)|手水に拝礼、覚えておきたい神社参拝の基本
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