大阪府第二の都市、堺市。
見どころの多い街ですが、その中の1つが古墳です。
大小さまざまな古墳が残る堺の街。それらの古墳は、百舌鳥古墳群(もずこふんぐん)と総称されています。
この百舌鳥古墳群の中心となるのが、今回ご紹介する仁徳天皇陵(大仙陵古墳)。日本最大の前方後円墳です。
日本最大の前方後円墳
古墳名称は、大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)または大山古墳(だいせんこふん)。
宮内庁により、第16代仁徳天皇の陵に治定されており、通称の「仁徳天皇陵」の名でよく知られています。
ただし、被葬者が仁徳天皇であると、考古学的に証明されているわけではありません。
この仁徳天皇陵は、三重の濠に囲まれた巨大な古墳。墳丘長は486mで、日本最大の前方後円墳です。

なお、前方後円墳とは、前側が方形で後側が円形、全体としては、鍵穴の形をした古墳を指します。
また、一般には、後ろの円形部に被葬者が埋葬されています。
仁徳天皇陵の見どころ
天皇や皇族の陵に治定されている古墳(陵墓)は、宮内庁によって管理されています。
通常は墳丘内に立ち入ることはできません。もちろん、仁徳天皇陵も例外ではありません。
ただし、墳丘の前には拝所があり、その近くまでは入れるようになっています。
また、仁徳天皇陵では、周壕沿いに周遊路も整備されています。

拝所
拝所は、地面に白砂が敷き詰められ、陵墓の墳丘に向けて鳥居が立つ神聖な場所。
一般に、前方後円墳の場合は、前側の方形部の正面に拝所が設けられます。
鳥居の向こうに見える、木々に覆われた丘は、仁徳天皇陵の方形部ということですね。
なお、仁徳天皇陵は、方形部が南側で円形部が北側。つまり、拝所は、古墳全体で見ると南端にあります。

古墳の周りをひとめぐり
仁徳天皇陵の一番外側の周壕に沿って、周遊路が整備されています。
濠で羽を休める水鳥や甲羅干しをする亀など眺めながら、大きな古墳の周りをひとめぐり。ウォーキングやサイクリングが楽しめます。
なお、周遊路は一周約4km。一周すれば、仁徳天皇陵の大きさを改めて実感されることと思います。

周辺スポット紹介
仁徳天皇陵の周辺には、次のようなスポットがあります。
古墳めぐりと周辺散策を兼ねて、こちらにも足をのばしてみましょう。
大仙公園
仁徳天皇陵のすぐ南にある大きな市民公園です。
緑あふれる広々とした公園で、古墳めぐりで疲れたときの休憩にもちょうどよい場所です。


堺市博物館
大仙公園内にある、堺の歴史を紹介する市立博物館です。
古代ブースでは、仁徳天皇陵から出土した石棺など、堺の古墳に関する詳しい展示説明があります。


履中天皇陵
大仙公園を挟んで仁徳天皇陵は反対の南側にある古墳で、名称は上石津ミサンザイ古墳。
宮内庁により、仁徳天皇の息子である第17代履中天皇の陵に治定されています。
墳丘長は365mで全国第三位の大きさを誇る前方後円墳。百舌鳥古墳群の中では仁徳天皇陵についで大きな古墳です。

堺市役所展望ロビー
堺市の中心部、南海堺東駅近くにある堺市役所。
この市役所高層館の21階に、誰でも無料で入場できる展望ロビーがあります。堺市の観光拠点の1つです。
ロビー内は360度全周ガラス張り。眼下には、仁徳天皇陵をはじめとする古墳がところどころに点在する、堺の街を一望できます。


仁徳天皇陵の基本情報
住所:大阪府堺市堺区大仙町7
アクセス:JR百舌鳥駅から徒歩5分
駐車場:有(南側の大仙公園の駐車場を利用)
備考:拝所付近まで入場自由(陵墓内は立ち入り禁止)
ホームページ:仁徳天皇 百舌鳥耳原中陵(宮内庁) 仁徳天皇陵古墳(堺観光ガイド)