方違神社|全国でも珍しい方災除の社、その隣には天皇陵(大阪名所巡り)

方違神社社殿 神社(大阪)

大阪府堺市の中心部にある南海堺東駅。

この駅の近く、堺市役所とは反対の西側に、古くから知られる社があります。

それが、今回ご紹介する方違神社(ほうちがいじんじゃ)。方災除けで知られる、全国でも珍しい神社です。

方違神社

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方違えとは?

方違神社の社名にある「方違え」(かたちがえ)とは、平安の頃から続く日本の風習の1つ。

古来より、吉凶それぞれの特徴を持つ「方位神」という神さまが存在するとされてきました。

特に問題になるのは、災いをなす凶の神さまです。

やっかいなことに、方位神はいつも同じ方位にいるわけではなく、ちょこちょこと方角を変えてしまいます。

そこで、目的地の方角の吉凶を占い、凶である場合には災い(方災)を避けるため、わざと違う方位に進んでから目的地に行く、ということも行われました。これが方違えです。

方違神社境内

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全国でも珍しい、方災除の社

方違神社の創建は古く、第10代崇神天皇の頃と伝わります。

この神社がある場所は、その昔、摂津・河内・和泉の三国の境でありました。

三国のいずれにも属さない地、そこから、方位のない地という意味に転じ、古くから、方災除の神として知られてきました。

神社の御利益・御神徳としては、「商売繁盛」「縁結び」「厄除」などがよく知られますが、「方災除」を一番に挙げている社は全国でも珍しいです。

今も、結婚・転勤で別の地へ引っ越しする際など、方災を避けるために参拝に訪れる人が絶えません。

方違神社社殿

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すぐ隣には反正天皇陵

さて、ご本殿への参拝を終えたら、神社の境内から周囲を眺めてみましょう。

境内のすぐ隣に、なみなみと水を湛えた濠が見えるかと思います。濠の向こうには、木々で覆われたこんもりとした丘。

これは、田出井山古墳(たでいやまこふん)という名の前方後円墳。

堺市の百舌鳥古墳群にある3つの天皇陵「百舌鳥三陵」の1つ。宮内庁により、第18代反正天皇(はんぜいてんのう)の陵に治定されています。墳丘長は148mです。

百舌鳥古墳群の他の2つの天皇陵、仁徳天皇陵・履中天皇陵と比べると小さいですが、全国的には十分大きい部類に入ります。

方違神社境内から反正天皇陵を眺める

方違神社があるこのエリアは、堺東駅のすぐそばの住宅密集地。

反正天皇陵の濠の周りも家がびっしり。周囲を住宅に囲まれた天皇陵です。

なお、方違神社が立つのは、反正天皇陵の北側ですが、反対側の天皇陵南端には、白い鳥居が立つ拝所があります。

濠に沿って住宅地の中を通り、南の拝所からも陵墓の墳丘を眺めてみましょう。

反正天皇陵拝所

方違神社の基本情報

住所:大阪府堺市堺区北三国ヶ丘町2-2−1

アクセス:(南海高野線)堺東駅から徒歩5分 (JR)堺市駅から徒歩10分

駐車場:有

備考:境内参拝自由

ホームページ:方違神社

方違神社地図