今回は、大阪・堺の大仙公園内にある、堺市博物館をご紹介します。
北には、日本最大の前方後円墳・仁徳天皇陵(大仙陵古墳)。南にあるのは、第三位の履中天皇陵(上石津ミサンザイ古墳)。
巨大古墳に囲まれた古代ロマンあふれる地にある博物館、堺の歴史を勉強するのに最適な場所です。
堺の歴史を紹介する市立博物館
古代には巨大古墳が次々と造営され、また、中世には貿易都市として繁栄を極めた堺。
堺市博物館は、そんな堺の歴史をわかりやすく展示紹介している市立博物館です。
また、場所は、2つの巨大天皇陵(仁徳陵・履中陵)に挟まれた、大仙公園の中。
堺の観光途中にふらっと気軽に訪れやすいスポットの1つです。

館内展示紹介
堺市博物館では、堺市の歴史に関係するさまざまな資料が展示されています。その一部をご紹介します。
(注)定期的な展示替えにより、展示品が変更されている場合があります。
古代の展示ブースで目立っているのが大きな石棺。これは、仁徳天皇陵の長持形石棺です。
現在は立ち入り禁止で、調査もほとんど行われていない仁徳天皇陵ですが、明治時代の一時期、陵墓の石室が掘り起こされたことがありました。
この長持形石棺は、そのときの調査で発見されたものです。
なお、ここに展示されているのはレプリカで、本物の石棺は埋め戻されています。

中世には日本を代表する貿易都市であった堺。
また、鍛冶の街としても知られ、戦国時代~江戸時代には、鉄砲の一大産地に成長しました。
堺の中世歴史に関するブースでは、ずらりと展示された多数の火縄銃が目を引きます。
その中での注目は、慶長年間に作られた大鉄砲(大火縄銃)。普通の火縄銃と比べて、長さや筒の太さが倍以上もある、巨大鉄砲です。

堺市博物館の周辺散策
博物館の周りには、堺のシンボルパーク、大仙公園が広がります。
また、ページ下部の地図を見ていただくとよくわかるのですが、この公園は4つの大きな古墳に取り囲まれています。
ここを拠点に古墳めぐりするのもいいですね。
大仙公園
敷地面積81haを誇る大仙公園は、緑あふれる開放的な空間。
博物館の見学を終えたら、園内をぶらりと散策してみませんか。
園内中央には芝生広場が広がり、西側には日本庭園もあります。
また、園内のあちこちに、陪塚(ばいづか)と呼ばれる小古墳が点在しています。


周辺古墳めぐり
大仙公園の周辺には、百舌鳥古墳群を代表する巨大古墳が集まります。
まずは、公園の北にある仁徳天皇陵(大仙陵古墳)。墳丘長486m、日本最大の前方後円墳です。


大仙公園の南側にも大きな古墳あり。
こちらは、履中天皇陵(上石津ミサンザイ古墳)。墳丘長は365m。
第1位の仁徳天皇陵、第2位の応神天皇陵に次ぐ、日本で第3位の大きさを誇る古墳です。


また、大仙公園の南東側にも2つの古墳があります。
1つは、いたすけ古墳。墳丘長は146m。
昭和期に、宅地造成のため壊されそうになりましたが、市民運動によって破壊を免れた古墳です。
南側の濠には、墳丘へ架け渡された橋が一部残されていますが、これは、昔の造成工事で作られた橋の残骸です。
工事で危うく壊されかけた、この古墳の当時を示す貴重な「遺構」です。

もう1つは、御廟山古墳。
こちらも水濠に囲まれた大きな古墳で、墳丘長は203m。
今のところ被葬者は不明ですが、宮内庁により陵墓参考地(被葬者候補:応神天皇)に治定されています。

堺市博物館の基本情報
住所:大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内
開館時間:午前9時半~午後5時15分(入館は午後4時半まで)
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は開館)、年末年始
入館料:一般200円 高大生100円 小中生50円(特別展開催時は変更)
アクセス:(JR)百舌鳥駅から徒歩5分 (南海)三国ヶ丘駅から徒歩15分
駐車場:有(大仙公園駐車場を利用)
ホームページ:堺市博物館(堺市ホームページ)