花岳寺|赤穂四十七士も眠る、歴代赤穂藩主の菩提寺(兵庫名所巡り)

兵庫県南西部・播州赤穂にある曹洞宗のお寺、花岳寺(かがくじ)をご紹介。

赤穂城を築いた赤穂浅野家をはじめ、歴代赤穂藩主の菩提寺。

また、赤穂四十七士(赤穂浪士)とのゆかりの深いお寺でもあります。

花岳寺

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歴代赤穂藩主の菩提寺

江戸時代前半の1645年、赤穂には、常陸国(現在の茨城県)笠間から浅野長直が入封。

その際に、長直が父・浅野長重の菩提を弔うために建立したのが、この花岳寺です。

以降、赤穂浅野家はもちろん、三代藩主・内匠頭長矩切腹(赤穂事件)で浅野家が断絶した後も、歴代赤穂藩主はここを菩提寺と定めました。

花岳寺・浅野家霊廟

また、赤穂事件で吉良上野介邸への討ち入りを敢行した、大石内蔵助など赤穂四十七士の墓も建立されました。

今も義士墓所が残る花岳寺、赤穂浪士ゆかりのお寺としても知られています。

花岳寺・義士墓所

花岳寺の境内見どころ

現在の花岳寺境内、本堂周辺は自由に参拝できます。

ただし、義士墓所や宝物殿などがある境内奥は、拝観有料エリアとなっています。

山門

境内の南側に立つ花岳寺の山門。

棟木上の本屋根とは別に、扉専用の独立した2つの小屋根が付いた、いわゆる高麗門です。

お城でよく見かける形式の門ですが、この山門も、もとは赤穂城にありました。

昔の赤穂城の西惣門(塩屋門)で、廃城となった明治時代に花岳寺に移築されました。

花岳寺・山門

大石名残の松(二代目)

山門をくぐった先、正面には、美しい樹形の立派な松の木があります。

これは、大石名残の松。大石内蔵助手植えと伝わる松です。

ただし、当時の松は残念ながら昭和初期に枯れてしまい、現在の松は二代目。

枯死した初代は、切り株姿ではありますが、境内の休憩所にて展示されています。

花岳寺・大石名残の松

鐘楼(鳴らずの鐘)

名残の松の右側には、鐘楼があります。

ここにつり下げられている鐘は、赤穂浅野家二代、浅野長友(浅野内匠頭長矩の父)により鋳造されたもの。

また、赤穂義士の切腹後には、その死を悼んで町民たちがこの鐘を鳴らし続けたそう。

その後、50年も鐘が鳴らなくなったという逸話から、「鳴らずの鐘」と呼ばれています。

花岳寺・鐘楼(鳴らずの鐘)

本堂

松の木の背後には大きな本堂があります。
境内あちこち巡る前に、まずはこちらへお参りを。

本堂正面の2つの紋は、市内各所で見かける、赤穂では有名な紋。

右の「違い鷹の羽」は赤穂浅野家の紋、左の「二ツ巴」は大石家の家紋です。

また、堂内に入って頭上を見上げれば、そこには見事な龍の絵。
赤穂の画家・法橋周得が幕末に描いた、天井絵が残ります。

花岳寺・本堂

義士墓所

本堂左側の拝観入口から先は、拝観有料エリアです。

まず、入って左手にあるのは義士墓所。

ここには、三代藩主・浅野内匠頭長矩と、大石内蔵助をはじめとする赤穂四十七士のお墓があります。

赤穂義士の切腹後、その37回忌の際に建立されました。

真ん中にあるのが、浅野内匠頭のお墓。

その左右には、大石内蔵助とその息子・大石主税(ちから)の墓が主君に寄り添うように立っています。

花岳寺・義士墓所(浅野内匠頭・大石内蔵助・大石主税)

また、中央3名の墓を取り囲むように、他の義士たちのお墓が周囲に並んでいます。

なお、赤穂四十七士のうち、大石内蔵助・大石主税を含む四十六人のお墓には、それぞれ「刃」の文字が刻まれています。

この「刃」の字は、切腹して果てたことを示しています。

しかし、ただ1つだけ「刃」の字がないお墓があります。
それは、寺坂吉右衛門のお墓。

四十七士のうち、唯一切腹しなかった人物で、この墓所建立時はまだ存命。死後、義士仲間の横に葬られました。

花岳寺・赤穂四十七士の墓

義士宝物館・義士木像堂

義士墓所の背後には、義士宝物館と義士木像堂があります。

義士宝物館には、義士ゆかりの品々が50点以上も展示されています。

中でも、討ち入り直前にしたためられた、大石内蔵助自筆の書状は必見です。

花岳寺・義士宝物館

一方、隣接する義士木像堂には、吉良邸討ち入り時の義士の木像が安置されています。

館内右手には大石内蔵助率いる表門隊、左手には大石主税率いる裏門隊。

討ち入りを悟られないよう、それぞれ江戸の火消し装束をまとった姿です。

なお、義士宝物館、および、義士木像堂では、館内の写真撮影は禁止されています。ご注意ください。

花岳寺・義士木像堂

歴代赤穂藩主の墓

もともと、この花岳寺は、播州赤穂に入封した浅野長直が、父・浅野長重の菩提を弔って建てたお寺です。

境内の奥には、その浅野長重から、初代赤穂藩主・長直、二代藩主・長友まで、浅野家三代のお墓があります。

なお、赤穂事件を引き起こした浅野内匠頭長矩のお墓はここにはなく、先にご説明した義士墓所の中にあります。

また、浅野家改易後も、赤穂歴代藩主によって菩提寺に定められた花岳寺。
浅野家の後に赤穂を治めた、森家一族のお墓もあります。

花岳寺・浅野家三代の墓

花岳寺の基本情報

住所:兵庫県赤穂市加里屋1992番地

電話番号:0791-42-2068

境内参拝:本堂周辺は参拝自由(奥の義士墓所・宝物館等の拝観は有料)

拝観時間:午前9時~午後4時

拝観料:大人400円 高大生200円 中学生以下は無料

アクセス:(JR)播州赤穂駅から徒歩10分

駐車場:有(南の山門をくぐって境内西側)

ホームページ:播州赤穂 台雲山花岳寺

花岳寺地図

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