京都・堀川六条に大伽藍を構える西本願寺。
浄土真宗の最大宗派、浄土真宗本願寺派の本山です。
正式名称は本願寺。
「西本願寺」という名前は、東本願寺に対して使われてきた通称です。
ただ、現在では、西本願寺の呼び方が一般的ですね。
また、親しみを込めて「お西さん」とも呼ばれています。
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巨大な2つの国宝仏堂が横並び
中世に、織田信長と激しく対立したことで知られる本願寺教団。
しかし、最終的には信長に屈服し、さらに内部対立によって分裂します。
そのうちの一派が、桃山時代、豊臣秀吉に寄進された京の堀川六条にて伽藍を再興。
これが現在の西本願寺です。
なお、別の一派は東の烏丸七条に分立。こちらは現在の東本願寺です。
現在の西本願寺境内には、桃山時代~江戸時代にかけての建物が数多く残ります。
その中でも特に目を引くのは、東面して横に並ぶ2つの巨大仏堂、阿弥陀堂と御影堂です。
阿弥陀堂
境内右側にあるのが阿弥陀堂。
浄土真宗の本尊、阿弥陀如来像を安置するお堂で、一般のお寺における「本堂」にあたる建物です。
南北(正面幅)45m、東西(奥行き)42m、高さ25m。
約800人を収容できるという大きなお堂です。
江戸中期(1760年)の再建。国宝指定。
(注)現在、阿弥陀堂は修復工事中(2022年まで)。ただし参拝はできます。
御影堂
左側は御影堂。
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の像や本願寺歴代門主の御影を安置しています。
なお、「御影」の読み方は宗派によって異なり、「みえい」・「みえ」などと呼ばれることもありますが、浄土真宗では「ごえい」と呼ぶのが一般的。
西本願寺の御影堂も、読み方は「ごえいどう」です。
御影堂は、阿弥陀堂よりもさらに大きく、南北(正面幅)62m、東西(奥行き)48m、高さ29m。
江戸時代初期、寛永13年(1636)の再建。こちらも国宝指定。
その他の境内見どころ
阿弥陀堂・御影堂の他にも、西本願寺にはさまざまな建物が残されています。
西本願寺の境内は拝観無料。広い境内を気ままに巡ってみましょう。
なお、書院や飛雲閣など普段公開されていない建物も多いです。
以下では、誰でも見られる一般公開の建造物の中から、見どころをピックアップします。
手水舎
まずは、境内入ってすぐのところに立つ、手水舎。
多くの人が何気なく訪れる場所ですが、実は国重要文化財指定の貴重な建造物です。
入母屋・瓦葺きの小さな屋根が六本の柱で支えられ、周囲四面は開放。
シンプルながらも、コンパクトにまとめられた美しいデザインです。
唐門
境内南のはずれに立つ唐門。
この唐門は、豊臣秀吉が築城した伏見城の遺構とも言われています。
極彩色で彩られた精巧な彫刻が見事な門。
国宝指定。大徳寺唐門、豊国神社唐門とともに、京都の国宝三唐門の1つです。
なお、この門は普段は閉ざされていて通ることはできません。
唐門を外側から眺めたい場合は、境内をいったん出てぐるっと回ってくる必要があります。
(注)西本願寺の唐門は現在修復工事中(2022年まで)。
太鼓楼
境内北東角に立つ二層の建物。
上層には時を知らせるための太鼓が置かれています。
こちらは国重要文化財指定。
幕末の新撰組とのゆかりの深い建物でもあります。
一時期、新撰組はこの西本願寺に屯所を置き、隊士がこの太鼓楼を使用していたそうです。
なお、太鼓楼は、阿弥陀堂や御影堂が立つ場所から、境内を通って直接行くことはできません。
一度、門の外に出て、境内外側から訪れましょう。
西本願寺の基本情報
住所:京都市下京区堀川通花屋町下ル
電話番号:075-371-5181
アクセス:(JR・近鉄・地下鉄)京都駅から徒歩10分
ホームページ:浄土真宗本願寺派 龍谷山 本願寺(お西さん)