神戸随一の繁華街、三宮。
いつも賑やかな駅周辺の一角、商業ビルが立ち並ぶ中に、由緒ある社が鎮座しています。
それが今回ご紹介する、生田神社(いくたじんじゃ)。
古くは源平の合戦場にもなったこの社。
現代では、「縁結び」で知られる神戸の名社です。
スポンサーリンク
源平の合戦場にもなった歴史ある社
生田神社の創建は古く、神功皇后の三韓征伐の時代と伝わります。
古くは式内社(名神大社)であり、戦前の社格制度では官幣中社に列せられました。
兵庫県では、西宮の廣田神社、神戸の長田神社と並ぶ、長い歴史を誇る神社です。
さて、平安末期の源平争乱時代、現在の神戸は京から西国への出口にあたり、平清盛の福原京や大輪田泊(後の兵庫津)からも近い要衝の地でありました。
そのため、この周辺では、京の都をめぐって源平両軍が激しく衝突。
今も、神戸の各地に、源平合戦の跡が残ります。
この生田の地も、その1つ。
今も神社の境内に残る生田の森は、平知盛・重衡率いる平家主力が陣を構えた場所。
攻め寄せた源氏の大将、源範頼の軍勢との間で、激戦が繰り広げられました。
この生田の戦いでは、源氏の梶原景時・景季親子が大活躍。
特に、若武者であった息子の景季(かげすえ)は、境内の梅の枝を箙(えびら:矢筒のこと)に挿して戦ったとか。
その伝承に登場する梅の木「箙の梅」が、今も境内に残されています。
今は、女性に人気の「縁結びの社」
その昔、いかつい武者たちの激しい戦いが繰り広げられた生田神社。
しかし、そんな昔の戦場も、今では一変。
縁結び・恋愛成就の御利益で知られる、女性に人気の社です。
境内には縁結びスポットもあり。
良縁を願う方は、境内をめぐって探してみましょう。
まずはご本殿へ
生田神社の正面入口は、大鳥居が立つ境内南側。
鳥居の向こうには、生田神社の「顔」、大きな朱色の楼門が見えます。
楼門をくぐった先は、社殿が立ち並ぶ境内の中心。
正面に立つ建物は拝殿で、本殿はその奥にあります。
まずは、拝殿前からご本殿へ参拝を。
ご本殿に祀られる生田神社の主祭神は、稚日女尊(ワカヒルメ)。
天界(高天原)で神の衣を織る、機織(はたおり)の神さまです。
糸を合わせて織ることから、人と人とを結びつける「縁結びの神さま」と呼ばれるようになりました。
生田の池と市杵島神社
ご本殿の参拝を終えたら、境内をひとめぐりしてみましょう。
本殿の左側には池が1つあります。
噴水の水が太陽の光を浴びてきらめくこの池、「生田の池」と呼ばれています。
生田の池には島があり、そこに小さな社が鎮座しています。
この社は市杵島神社。
宗像三女神の一柱、市杵島姫命(イチキシマヒメ)を祀ります。
「生田弁財天」とも呼ばれています。
市杵島姫命は、芸能の神・水の神として知られますが、もう1つ、美の誉高い女神さまとしても有名です。
縁結び祈願と合わせてお参りしておきたい社です。
生田森坐社と水占い
ご本殿の北側には、先ほどもご紹介した、史蹟・生田の森が広がります。
しめ縄や紙垂(しで)のついた太いご神木も残る、神聖な森の奥。
ここには、生田森坐社(いくたのもりにいますやしろ)という名の小さな神社があります。
祀られる神さまは、古代の神功皇后。
お腹に赤ちゃん(後の応神天皇)を抱えながらも三韓征伐を行った、意志の強い女性の代表格です。
安産、万物成長の御利益で知られます。
生田森坐社の横には小さな池があります。
これは「縁結びの水占い」の池。
ここで水占いをする場合は、まず、社務所で水みくじをもらいましょう。
いただいた水みくじを池の水に浸すと、文字が浮かび上がってきます。
どんな占いが出ましたか?
ひいた後のおみくじは、池の近くで結んでもいいのですが、持って帰ってもよいそう。
占いの結果がよければ、縁結びのお守り代わりにするのもいいですね。
生田神社の基本情報
住所:神戸市中央区下山手通1丁目2-1
電話番号:078-321-3851
開門時間:午前7時~午後5時頃(春~夏は6時半閉門) 境内参拝自由
アクセス:(JR)三ノ宮駅・(阪急・阪神・地下鉄)三宮駅から徒歩10分
駐車場:有
ホームページ:生田神社