古代日本の都といえば、飛鳥や奈良の平城京、京都の平安京などが思い浮かびます。
しかし、古くは難波津とも呼ばれた、現在の大阪にも都が置かれたことがありました。難波京(なにわきょう)と呼ばれます。
今回ご紹介する難波宮跡(なにわのみやあと)は、この難波京の宮城跡です。
大阪城公園の南で見つかった宮城跡
難波宮は、歴史上、二度存在しています。
飛鳥時代、大化の改新が始まった頃、飛鳥から都が移されたときが一度目で、前期難波宮と呼ばれます。
一方、二度目は奈良時代。聖武天皇により、短期間ではありますが都が置かれました。こちらは後期難波宮と呼ばれています。

難波宮の所在は長らく不明でしたが、近年になってようやく発見。その場所は、現在の大阪城公園のすぐ南です。
その後、難波宮跡は国の史跡に指定され、史跡公園として整備が行われました。

ビルが立ち並ぶ大阪の街に残る現在の難波宮跡は、広い平坦な公園。
そんな公園の中央には、後期難波宮の大極殿基壇(復元)があります。
大極殿は、即位の礼や国家的な儀式などが行われた、都の中の最も重要な施設(正殿)です。基壇の上には、柱の位置を示す丸の数多くの礎石が、縦横整然と並んでいます。
余談ですが、昔はこの難波宮跡と同じく広大な草原であった平城宮跡も、今では、大極殿や朱雀門などの建物が復元されて、賑やかな場所となっています。
この難波宮跡でも、基壇の上に大極殿が復元される日がいつか来るでしょうか。

近くには大阪歴史博物館
難波宮跡と合わせて訪れたいのが、すぐ近くに立つ大阪歴史博物館です。
ここでは、「大阪」という都市の歴史をテーマに、時代毎にさまざまな展示が行われています。


中でも、館内10階は、古代、特に難波宮をテーマにしたフロアとなっています。
今の難波宮跡は基壇が残るだけの公園で、なかなか昔の姿を想像しづらいですが、館内の1フロア全体を使った展示を見れば、かなり理解が深まります。
また、館内地下1階には、発掘調査で発見された難波宮の一部が保存されています。一般の方の見学も可能です(ただし、当日申し込み要)。
なお、大阪歴史博物館は、大阪の街を見渡せる眺望のよい場所でもあります。ここから難波宮跡や大阪城公園を一望できます。
南の天王寺周辺に立つ、あべのハルカスも見えますよ。

難波宮跡(難波宮跡公園)の基本情報
住所:大阪市中央区法円坂1
入場料:無料
アクセス:
(大阪メトロ)谷町四丁目駅から徒歩5分
(JR)森ノ宮駅より徒歩8分
ホームページ:難波宮跡(難波宮跡公園)(大阪府ホームページ内) 大阪歴史博物館