奈良市のほぼ中央部に広がる平城宮跡。
ここは、今から1300年前に存在した「いにしえの奈良の都」、平城宮(平城京の中心部)の跡です。
国の特別史跡指定。また、世界遺産「古都奈良の文化財」にも登録されている、奈良の名所の1つです。
特に近年では、発掘調査と並行して、さまざまな復原整備が進行中。
古代の風景が少しずつ蘇りつつある、平城宮跡をご紹介します。
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平城宮跡のエントランス、朱雀門ひろば
平城宮跡の南端、朱雀門の周囲に整備されたエリア。
2018年3月に誕生した、平城宮跡の新しいメインエントランスです。
朱雀門
朱雀門ひろばの中心に立つ、平城宮の正門。
間口25m、奥行き10m、高さ22mの2階建て、鮮やかな朱色の門です。
1998年の復原。平城宮跡を代表する建物の1つです。
朱雀大路
朱雀門から南に延びる広い通り。
幅70m以上にも及ぶ、平城京のメインストリートです。
当時の朱雀大路は平城京全体を南北に貫き、都の南端にある羅城門まで続いていました。
東側には平城宮いざない館
朱雀大路の東ある、平城宮跡のガイダンス施設。入場無料。
見どころの1つは、1/200の縮尺で作られた、平城宮全域の復原模型。
細かな部分まで精細に作られた、見事な出来映えの「ミニ平城宮」です。
西側には観光施設
朱雀大路の西側には、インフォメーション、レストラン、展望デッキなどの観光施設が並びます。
レンタサイクルも利用できます。
展望デッキからは、平城宮跡内はもちろん、平城宮跡東側の東大寺や若草山などの奈良の名所も一望できます。
平城宮の最重要施設、第一次大極殿
第一次大極殿は朱雀門の真北に立つ、朱色の巨大な建物。
朱雀門と並ぶ、平城宮跡のシンボル。2010年の復原。
大極殿は、朝廷の重要な儀式や外国の使節を歓迎する式典などで使われる建物で、都の中の「最重要施設」です。
なお、「第一次」と呼ばれているのは、平城宮への遷都が二度行われたことに起因します。
藤原京からの一度目の遷都の際に作られたのが、この第一次大極殿です。
復原された現在の第一次大極殿の中は、現在、展示室になっています。
室内中央に置かれている大きなものは、天皇の玉座、高御座(たかみくら)。
特に、天皇即位の礼で使用される調度品です。
平城宮跡ひとめぐり
朱雀門や第一次大極殿の他にも、平城宮跡の中には見どころあり。
次のようなスポットを訪れつつ、平城宮跡をひとめぐりしてみましょう。
なお、広大な平城宮跡内を、徒歩で回っていてはかなりの時間がかかってしまいます。
効率よく回りたいなら、レンタサイクルがおすすめ。
レンタサイクルは、朱雀門ひろば内の「天平みはらし館」で利用できます。
第二次大極殿跡
奈良時代の途中に、難波宮などに他の場所へ一時的に都が移されたことがありました。
その後、再び、この平城宮に都が戻ってきたときに建てられたのが、第二次大極殿です。
この第二次大極殿の跡が、第一次大極殿の少し東に残ります。
ただし、第二次大極殿については、現時点で復原されているのは基壇のみ。建物はありません。
東院庭園
平城宮跡の東には、少し張り出したエリアがあります。
ここは皇太子が暮らした場所とされ、「東宮」あるいは「東院」とも呼ばれました。
このエリアでは、発掘調査により、大規模な古代の庭園跡が発見されました。
その結果に基づいて復原されたのが、東院庭園です。
朱色の建物とその前に広がる大きな池からなる、奈良時代風の庭園。
国の特別名勝にも指定されています。
平城宮跡資料館
平城宮跡についての展示説明を行う資料館。入場無料。
天皇や貴族の暮らしや、朝廷に務めていた一般役人の仕事ぶりなど、人形や模型を使ってわかりやすく説明されています。
遺構展示館
こちらは、平城宮跡で見つかった遺構や出土品の展示に特化した施設。入場無料。
見どころの1つは、実際の遺構をそのままの状態で展示した「遺構露出展示」。
柱の穴が整然と並ぶ様子など、出土したときの状態が一目瞭然です。
平城宮跡の基本情報
住所:奈良県奈良市佐紀町
電話番号:
0742-27-8973(奈良県・県土マネジメント部まちづくり推進局平城宮跡事業推進室)
0742-32-5106(文化庁・平城宮跡管理事務所)
アクセス:
(近鉄)大和西大寺駅、新大宮駅から徒歩20分
(近鉄奈良駅・JR奈良駅からバス利用)朱雀門ひろば前下車すぐ
ホームページ:平城宮跡クイックガイド