大阪城公園は、その昔、太閤・豊臣秀吉が築いた大坂城の跡です。
中央には、大阪のシンボル、緑の屋根が美しい天守閣がそびえます。
大坂城跡は国の特別史跡指定、また、日本100名城にも選ばれています。
豊臣秀吉の築城と江戸幕府による再建
本能寺の変の後、信長の後継者として天下統一を進めていた豊臣秀吉は、その威勢を内外に示すため、大坂・石山本願寺の跡地に巨城を築きます。
これが大坂城。10年以上もの期間をかけて工事が進められ、何重もの濠に囲まれた難攻不落の城となりました。

しかし、秀吉の没後、関ヶ原の戦に勝利した徳川家康が権力を握り、豊臣家と徳川家の立場は逆転。
最後には、徳川家の大軍に大坂城を攻められ、落城(大坂の陣)、豊臣家は滅亡します。
豊臣時代の大坂城は江戸幕府に徹底的に破壊され、その上に、幕府によって新たな大坂城が再建されました。
現在の大阪城公園に残る遺構の多くは、徳川時代に再建されたものです。

大阪城公園の見どころ
広々とした大阪城公園、その園内各所に、さまざまな見どころがあり。
天守閣を含め、主な見どころをいくつか紹介します。

大手口
大坂城の正門に当たる大手門(一の門)は、高麗門と呼ばれる形式の小ぶりな門です。
江戸時代の建築物で、国の重要文化財指定。

大手門をくぐると、その先に高い塀に囲まれた四角形の広場があります。ここは大手口枡形と呼ばれます。
左手に多聞櫓(二の門)が控えます。大手門と比べるとかなり大きい、重厚な造りの櫓門。この多聞櫓も江戸時代の建築物で、国の重要文化財指定。
敵が一の門を突破して枡形の中に殺到しても、堅固な二の門は簡単に突破できずに右往左往。その間に、周囲から弓矢・鉄砲を射かけて、塀に囲まれた枡形で袋だたきにしてしまうのです。

西の丸庭園
西の丸庭園は、天守閣のある本丸の西に広がる、青々とした芝生が美しい公園です。
大手口の多聞櫓を抜けた先の、二の丸から入ることができます。
たくさんのソメイヨシノが植えられたこの場所は、大阪を代表する桜の名所としても知られます。

西の丸庭園にも徳川時代の遺構が残ります。
千貫櫓(せんがんやぐら)と乾櫓(いぬいやぐら)、そして、焔硝蔵(えんしょうぐら)。3つとも国の重要文化財指定。
特に焔硝蔵は、日本全国の城でほとんど現存していない、珍しい建物です。
鉄砲や大砲の火薬を貯蔵しておく倉庫なのですが、火薬の暴発にも耐えられるよう、分厚い石壁で作られています。


豊國神社
大阪城の二の丸南部にある豊國神社(ほうこくじんじゃ)は、太閤・豊臣秀吉を祀る神社です。
もとは、京都・東山にある豊国神社(とよくにじんじゃ)の別社であったのですが、現在では独立しています。
秀吉の他、息子の豊臣家第二代・豊臣秀頼、弟の大和大納言・豊臣秀長も一緒に祀られています。


天守閣
二の丸の豊国神社近くにある桜門をくぐると、本丸に入ります。
この本丸の真ん中にそびえ立つのが、緑の屋根が印象的な天守閣。現在の天守閣は昭和初期に再建された三代目、五層八階の建物です。
天守閣の中は、現在、歴史博物館になっています。また、最上層の八階は展望室。周辺の大阪の街を一望できる眺望のよい場所です。

公園内の巨石さがし
大阪城公園では、縦横何mもある大きな石を時折見かけます。
江戸幕府による再建の際には、全国各地から大坂城に巨石が集められました。
例えば、本丸の南の入口、桜門近くに残る蛸石(たこいし)。城内第一位の巨石で、36畳という大きさです。
その他にも、肥後石や振袖石などの名前がついた巨石もあります。公園内をめぐりながら探してみましょう。

大阪城公園の基本情報
住所:大阪市中央区大阪城1-1
アクセス:(大阪メトロ)谷町四丁目駅から大手口まで徒歩5分
(他の最寄り駅は(大阪メトロ)森ノ宮駅、(JR)森ノ宮駅・大阪城公園駅・大阪城北詰駅、(京阪)天満橋駅など)
駐車場:有
公園内は入園自由(天守閣と西の丸庭園は、それぞれ入場有料)
大阪城天守閣:
(開館時間)9:00~17:00
(休館日)12/28~1/1
(入館料)大人600円 中学生以下無料
西の丸庭園:
(開園時間)9:00~17:00(3月~10月) 9:00~16:30(11月~2月)
(休園日)毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、12/28~1/4
(入園料)大人200円 中学生以下無料
ホームページ:特別史跡大阪城公園