京-大坂をつなぐ淀川水運の終着点、伏見。
江戸時代には、京の南の玄関口として栄えました。
多くの船宿が並び活況を呈した、当時の伏見桃山。
特に、幕末には、諸国から集まってきた、血気盛んな志士たちが多数逗留しました。
その伏見の中でも特に有名な「幕末名所」が、今回ご紹介する寺田屋。
坂本龍馬が暗殺されかかった、寺田屋事件の舞台です。
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実は二度あった「寺田屋事件」
歴史上、「寺田屋事件」と呼ばれる出来事は、二度発生しています。
一度目は、1862年、薩摩藩の島津久光が、自藩の尊皇藩士を粛清した事件。
過激思想の藩士たちと説得にきた薩摩藩士とが同士討ち。
幾人もの藩士が命を落としました。
二度目は、その4年後、同じ寺田屋で発生した坂本龍馬暗殺未遂事件。
京で薩長同盟の仲介という大仕事を成し遂げ、寺田屋で休息をとっていた坂本龍馬。
そこを幕府の伏見奉行所にかぎつけられ、襲撃されました。
妻であるお龍さんの機転もあり、ケガを負いつつも寺田屋から逃げ出した龍馬。
伏見の薩摩藩邸で保護され、一命を取り留めました。
現在は、史跡寺田屋として整備されています。
殉死した志士たちを悼む碑や坂本龍馬の像などがあります。
現在の寺田屋は龍馬ワールド全開!
さて、そのすぐ隣には、江戸時代の旅籠(はたご)風の建物が立っています。
この建物の名前も「寺田屋」。
以前は、二度の事件が発生した、幕末当時の寺田屋であるとも言われていました。
しかし、近年では、昔の建物は鳥羽・伏見の戦いで焼失し、今のものは再建である、という説が有力です。
中はまるで“龍馬資料館”
寺田屋の内部は一般公開されています(入館有料)。
龍馬の写真や手紙など、龍馬に関する史料が所狭しと並べられた旅籠の中は、まるで、“龍馬資料館”。
当時のものか再建かなど関係なく、幕末の雰囲気を楽しめる「龍馬ワールド全開」の空間です。
坂本龍馬好きなら一度は訪れたい、旅籠・寺田屋。
簡単ではありますがその見どころをご紹介していきましょう。
2階には龍馬の部屋
館内に入ると、まずは、狭い階段を上って2階へ。
寺田屋の2階は客間。畳敷きの部屋がいくつもあります。
その中に、「龍馬の部屋」と記された一室があります。
明るい日差しが入り込む六畳間。
ここは、坂本龍馬が襲われた場所とされています。
部屋の床の間にはいろんなものが飾られていますが、その中でも珍しいのが拳銃。
襲撃された際に、龍馬は、長州藩の高杉晋作からもらった拳銃で応戦したと言われています。
1階にはお龍さんのお風呂
2階の客間をひとめぐりした後は、奥にある別の階段で再び1階へ。
降りた先には、大きな風呂桶が1つ置かれた風呂場。
ここは、龍馬の妻、お龍さんの逸話で知られる場所です。
襲撃時にはお風呂に入っていたお龍さん。
捕り方がやってきたことをいち早く気づき、裸のまま階段を上って2階の龍馬に知らせた、という話が残ります。
寺田屋の基本情報
住所:京都市伏見区南浜町263
電話番号:075-622-0243
入館料:一般400円 中・高・大生300円 小学生200円
営業時間:午前10時~午後4時
定休日:1/1~1/3 月曜日不定休
アクセス:(京阪)中書島駅から徒歩5分 (近鉄)桃山御陵前駅から徒歩10分