伊丹の酒蔵|その歴史は灘よりも古し、北摂の酒造町(兵庫名所巡り)

昔の摂津国北部(北摂)、現在の大阪府北部から兵庫県南東部は、古くから酒造りが盛んなことで知られます。

その北摂において、灘や西宮、池田と並ぶ酒造の町が、今回ご紹介する伊丹。

昔と比べると、蔵元の数はかなり少なくなりました。
それでも、町の中には、当時をしのばせる古い酒蔵が残ります。

伊丹の酒蔵

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歴史ある酒造の町

戦国時代には、織田信長配下の荒木村重が有岡城を築き、城下町として発展した伊丹。

その後の慶長年間には、清酒の醸造法が伊丹で確立。
ここは「清酒発祥の地」と呼ばれています。

さらに、江戸時代になると蔵元の数は大きく増えて、生産量も激増。

最盛期には、将軍のお膝元・江戸へも、伊丹のお酒が大量に出荷されるようになりました。

伊丹の酒

しかし、江戸時代の終わりになると、勃興してきた後発の酒どころ・灘五郷に、次第に押されていきました。

それでも廃れることなく続いた、伊丹の酒造り。

今も、市内には、古くからの伝統を守る2つの酒造会社(小西酒造・伊丹老松酒造)が残ります。

昔の酒造用具

伊丹の酒蔵スポット

現代の伊丹には、最盛期を偲ばせる昔の酒蔵跡が残されています。

一方で、今も脈々と受け継がれている、伊丹の酒造り。
市内には、伊丹の名酒を楽しめるスポットもありますよ。

旧岡田家住宅・酒蔵

伊丹の町中に残る、江戸時代の古い町屋。

建築時期は、江戸時代前期の1674年。
その後の1715年に改装され、酒蔵が増築されています。

昭和59年まで、大手柄酒造(廃業)の蔵として実際に使われていました。

兵庫県内で最古の町屋、また、酒蔵としては日本最古。
国の重要文化財にも指定されています。

旧岡田家住宅・酒蔵

現在、この建物は伊丹市の所有。その内部は一般に公開されています(入館無料)。

町屋といっても、昔の店舗に、酒蔵や釜屋・洗い場が併設された大建築です。

広い館内は、酒造りの歴史などを紹介する資料館。
昔の酒造りで使われた、貴重な施設や道具も残されています。

旧岡田家住宅・酒蔵の館内風景

ブルワリービレッジ長寿蔵

現在も伊丹で酒造りを続ける老舗の酒造会社、小西酒造の運営施設です。

江戸時代の大きな酒蔵を利用した、風情ある建物です。

長寿蔵

1階は、伊丹のお酒や地ビールが楽しめるレストラン。

2階には、伊丹の酒造りを紹介する酒造博物館(長寿蔵ミュージアム)があります。

昔の使用されていた酒造用具を多数展示。
当時の酒づくりの工程とともに詳しく説明されています。

ミュージアムの入場は無料です。

長寿蔵ミュージアム

長寿蔵の東隣には、小西酒造直営のショップもあります。

日本最古の清酒ブランド・「白雪」で知られる小西酒造。
その名酒の数々がここにズラリ。

お酒好きな方へのおみやげにぜひどうぞ。

小西酒造・長寿蔵ショップ

伊丹老松酒造

伊丹老松酒造は、小西酒造とともに、伊丹の酒を守り続けてきた老舗です。

江戸時代の銘酒番付では、筆頭に選ばれたこともあるそう。

店舗1階では、その老松のお酒の直売が行われています。

また、店舗の外には、醸造用の井戸水「老松丹水」があります。

この水は一般にも開放されており、容器に汲んで持ち帰ることもできます。

伊丹老松酒造

伊丹の酒蔵・お酒情報

(旧岡田家住宅・酒蔵)
住所:兵庫県伊丹市宮ノ前2丁目5番28号

電話番号:072-772-5959

開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)

休館日:月曜日

入館料:無料

アクセス:(阪急)伊丹駅・(JR)伊丹駅から徒歩5分

駐車場:有

ホームページ:旧岡田家住宅・酒蔵(伊丹市ホームページ)

(ブルワリービレッジ長寿蔵ミュージアム)
住所:兵庫県伊丹市中央3丁目4番15号(レストラン2階)

電話番号:072-773-0524

開館時間:午前11時半~午後5時

休館日:毎月第二火曜日、年末年始

入館料:無料

アクセス:(阪急)伊丹駅・(JR)伊丹駅から徒歩5分

駐車場:有

ホームページ:ブルワリービレッジ長寿蔵ミュージアム

(伊丹老松酒造)

住所:兵庫県伊丹市中央3丁目1番8号

電話番号:072-782-2470

営業時間:午前9時半~午後7時

定休日:祝日

アクセス:(阪急)伊丹駅・(JR)伊丹駅から徒歩5分

駐車場:有

ホームページ:伊丹老松酒造

伊丹の酒蔵地図

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