神戸の山手側、兵庫県庁のすぐ北にある相楽園(そうらくえん)。
広大な敷地を誇る、神戸市立の都市公園です。
日本庭園を中心とした園内ですが、なぜか異人館もあり。和と洋の魅力が混在した、神戸の名所です。
旧神戸名士の私邸&庭園
ここは、元は、戦前に活躍した神戸の名士・小寺家の私邸&庭園でした。
それを神戸市が譲り受けて整備したのが、相楽園。現在は神戸市立の都市公園です。
なお、入園は有料ですが大人300円。市立公園ということもあり、気軽に入れる料金に抑えられています。

相楽園の見どころ
相楽園の広さは2万平方メートル、甲子園球場よりも広い敷地面積を誇ります。
日本庭園を中心とした園内、ただ、純粋な和の公園という感じでもありません。
庭園の他にも、国重要文化財指定の近代洋風建築など、見どころたくさん。
和と洋が混在した、日本でも珍しい都市公園です。

林立するソテツ
入口の大きな門をくぐった先の園内。右には蘇鉄(ソテツ)、左にはマツが広がります。
特に強い印象を与えるのが、右手のソテツ園。ヤシのような独特な形の葉を広げた低い木が、あちこちに林立。
南国のような錯覚をも感じさせるエリアです。

中央の大クスノキ
ソテツ園を右手に見ながら先に進むと、前方に1本の大きな木が見えてきます。
太い幹から分かれた枝が、四方にバランスよくのびた巨木、樹齢500年とも言われる大クスノキです。

奥には洋風エリア
大クスノキの奥に広がるのは洋風のエリア。2つの近代洋風建築が立っています。
右の建物は、旧小寺家厩舎。小寺家所有の時代から残る、レンガ造り・二階建ての建物です。
1階には、馬車が入る車庫があります。また、円柱形の塔屋が特徴的。
明治時代の末期の建築で、国の重要文化財に指定されています。

左側は旧ハッサム住宅。明治時代以降、神戸で暮らした西洋人の邸宅、いわゆる異人館の1つです。
この異人館は明治35年の建築。もとは現在の北野異人館街にあった洋館で、昭和38年にここに移築されました。
この旧ハッサム住宅も、国の重要文化財に指定されています。

広大な日本庭園
相楽園の一番の見どころは、園内の西側半分を占める広大な日本庭園。
中央に大きな池、その周囲に遊歩道がめぐらされた池泉回遊式の庭園です。
ところどころに置かれた飛び石や石橋、石灯籠など、石のアイテムがいいアクセントになっています。
また、春のツツジや秋のモミジなど、四季折々で季節の景色を楽しめます。

池の畔に、格式の高そうな建物が置かれています。
これは船屋形。お殿様が川に浮かべて遊覧を楽しむ御座船で、これは江戸時代の姫路藩が所有していたものです。
なお、ここに残るのは御座船の屋形部分のみですが、それでも、日本で現存する唯一の御座船です。国の重要文化財にも指定されています。

相楽園の基本情報
住所:神戸市中央区中山手通5-3-1
開園時間:9:00~17:00
休園日:毎週木曜日(祝日の場合は開園、翌日休園)、年末年始(12/29~1/3)
入園料:大人300円 小中学生150円
アクセス:
(神戸市営地下鉄・西神・山手線)県庁前駅から徒歩5分
(JR・阪神)元町駅から徒歩10分
(神戸高速)花隈駅から徒歩15分
ホームページ:相楽園