銀閣寺|渋さが持ち味「わび・さび」東山文化の象徴(京都名所巡り)

銀閣寺は、東山の大文字山の麓にある禅寺。京都でも、十指に入る人気の名所です。

「銀閣寺」という名は通称で、正式名は東山慈照寺。
また、北山の金閣寺とともに、臨済宗相国寺派の塔頭寺院です。

本山の相国寺をはじめ、相国寺派の寺院には室町幕府とのかかわりが深いお寺が多いです。

この銀閣寺もその1つで、元は室町幕府八代将軍・足利義政の別荘・東山殿。
義政の死後に禅寺に改められました。

銀閣寺

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銀閣寺の見どころ

足利義政は、「わび・さび」の東山文化を築いた文化人としても知られます。

その義政の別荘を元にするこの銀閣寺は、大人好みの渋さが持ち味。
同じ相国寺塔頭の、きらびやかな金閣寺とは対照的です。

銀閣寺垣

入口の門をくぐった先の参道両側には「銀閣寺垣」と呼ばれる垣根が続きます。

下段の石垣、中段の竹垣、そして、竹垣の上に茂る青々とした生け垣。
三段構成の趣のある垣根です。

銀閣寺垣

銀閣(観音殿)

銀閣寺の中心的な存在、銀閣。正式な名前は観音殿。
銀閣寺創建時期の1489年の建立で、国宝に指定されています。

銀閣

「銀閣」とはいうものの、金閣のように、銀箔が張られているわけではありません。

全身黒くて渋い建物は、銀閣というよりも「黒閣」。
また、二階の板壁に3つの火灯窓が並ぶ意匠も個性的。

銀閣は、「わび・さび」を尊ぶ、東山文化の象徴です。

銀閣斜視

東求堂

銀閣寺には、銀閣の他にもう1つ、国宝に指定されている建物があります。
それが東求堂(とうぐどう)。

やや地味なお堂で銀閣に隠れがちですが、銀閣よりも少し早い1486年の建立です。

この東求堂は、足利義政の念持仏を安置したお堂、いわゆる、「持仏堂」です。
なお、東求堂の内部は普段は公開されていませんが、ときおり特別公開が行われています。

東求堂

慈照寺庭園と銀閣

銀閣の周囲には、国の特別名勝にも指定されている慈照寺庭園が広がります。
銀閣や東求堂を眺めながらの庭園鑑賞も銀閣寺の楽しみの1つ。

この庭園の鑑賞ポイントは次の2つです。

砂の造形、向月台と銀沙灘

円錐台の向月台(こうげつだい)と波形の銀沙灘(ぎんしゃだん)。
ともに、砂で作られた不思議な造形物です。

方丈前から眺めると、陽光を受けて照り輝く砂庭のバックに銀閣が控えます。
砂庭の白砂と黒漆塗りの銀閣のコントラストが美しいです。

ぽろぽろとこぼれ落ちる砂だけで、このような造形物を作り上げてしまう、庭職人さんの技術はすばらしいですね。

向月台と銀沙灘

錦鏡池を挟んで眺める銀閣

向月台と銀沙灘とは反対側には錦鏡池という大きな池が広がります。

この錦鏡池を挟んで対岸からも銀閣を眺めてみましょう。
池の畔に立つ渋い銀閣の姿は、周囲の草木の緑とも見事に調和しています。

錦鏡池と銀閣

銀閣寺の基本情報

住所:京都市左京区銀閣寺町2

電話番号:075-771-5725

アクセス:京都駅、地下鉄今出川駅、阪急河原町駅、京阪出町柳駅などからバス利用
銀閣寺道バス停下車、徒歩5分

定休日:なし

ホームページ:銀閣寺(臨済宗相国寺派ホームページ)

銀閣寺地図

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