三十三間堂|長大なお堂の中を埋め尽くす千手観音(京都名所巡り)

三十三間堂の長辺 寺院(京都)

京都・東山にある大きな仏堂、三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)をご紹介。

「三十三間堂」という名前は、長いお堂の形から付けられた通称で、正式名称は蓮華王院本堂。

単独の寺院ではなく、妙法院(天台宗)が管理する境外(飛び地)の仏堂です。

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後白河法皇建立の仏堂

平安時代の末期、この一帯には、後白河法皇が暮らした法住寺殿がありました。

その法住寺殿の敷地内に建てられたお堂の1つが、三十三間堂です。

なお、当初のお堂は鎌倉時代に焼失しますが、十数年後に建て直されました。

また、桃山時代の豊臣秀吉による方広寺造営では、その境内に三十三間堂も含まれたため、建物の修復や周辺の整備が行われました。

三十三間堂

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三十三間堂の見どころ

室町時代の応仁の乱で京が戦場になったこともあり、現在の京都に残るお寺の建物はその後に再建されたものが多いです。

その中で、三十三間堂は、鎌倉時代に再建されてからは兵乱などで焼失することもなく、昔のものが今も残ります。千本釈迦堂と並ぶ、京都で最も古い仏堂の1つです。

三十三間堂の長辺は120m

三十三間堂の「三十三間」とは建物の柱間の数のこと。現代のメートル法で表すと約120m、大変長いお堂です。

あの東大寺大仏殿でも正面幅は57.5m。一辺の長さでは、三十三間堂は日本で一番の仏堂です。

建物の1つの角の近くに立って、長辺の方向を眺めてみましょう。

瓦葺き屋根の軒が、遠く先までのびていく様子からも、このお堂の長大さを実感できます。

三十三間堂の長辺

堂内を埋め尽くす千手観音

三十三間堂の中には、多くの仏像が安置されています。

それだけなら他の仏堂でもよくあるのですが、この三十三間堂ではその仏像の数が桁違い。

まず、堂内中央には、ご本尊の千手観音坐像。坐像ながら3mもの大きな像です。有名仏師、湛慶の作で、国宝指定。

この本尊の周囲を埋め尽くすように、千体の千手観音像が立ち並びます。等身大の金色の仏像が、お堂の長手方向にずらりと並ぶさまは圧巻。こちらも国宝指定。

さらに、手前には、風神・雷神像や、阿修羅像などの二十八部衆像などが並びます。こちらも全て国宝指定です。

三十三間堂正面

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三十三間堂の境内散策

三十三間堂の境内には、他にもいくつか見どころあり。堂内の拝観を終えたら、境内をぐるりと散策してみましょう。

南大門

三十三間堂の境内南に立つ南大門、三間一戸の八脚門です。

豊臣秀吉建立の方広寺の南門として建立されました。桃山時代の建築物で、国重要文化財指定。

南大門

太閤塀

同じく境内の南、南大門に繋がる築地塀で、太閤塀と呼ばれています。

高さ5.3m、長さ92mにも及ぶ立派な塀。

方広寺造営の際に整備された塀で、屋根の軒瓦には、豊臣家の家紋である太閤桐が刻まれています。こちらも国重要文化財指定。

太閤塀

通し矢の舞台

三十三間堂の西の縁側は、江戸時代に行われた「通し矢」の舞台として知られています。

約120m離れた北の端に置かれた的、これを南の端から矢で射貫きました。

南西から縁側に沿って北の方向を眺めてみましょう。かなりの距離ですが、江戸時代の弓の名手は高い確率で的を射貫いていたそう。

現代では、1月の法要の際に、新成人の女性による弓道大会「大的大会」が行われています。

通し矢の舞台

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三十三間堂の基本情報

住所:京都市東山区三十三間堂廻り町657

拝観時間:(4/1~11/15)8:30~17:00 (11/16~3/31)9:00~16:00

拝観料:大人600円 中高生400円 小学生300円

アクセス:
(京阪)七条駅から徒歩7分
(京都駅から)市バス利用、「博物館三十三間堂前」バス停下車すぐ

駐車場:有(50台)

ホームページ:蓮華王院 三十三間堂

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三十三間堂地図