兵庫県北部・但馬地方にある城崎温泉郷。
「外湯めぐり」が人気の、日本を代表する温泉街の1つです。
いつも観光客で賑わう街の一角に、静かなたたずまいのお寺があります。
それが、今回ご紹介する極楽寺。
美しい枯山水の石庭でも知られる禅寺です。
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沢庵和尚ゆかりのお寺
室町時代の創建と伝わる極楽寺。
その後はしばらく衰退の時期が続きましたが、江戸時代初期の僧、沢庵宗彭(たくあんそうほう)により再興されました。
なお、沢庵和尚は、ここ但馬出身の人物で、京都・大徳寺の住職もつとめた名僧。
また、朝廷や寺社への締め付けを強める幕府に反抗した、気骨あるお坊さんとして知られます。
極楽寺の境内見どころ
現在の極楽寺は、臨済宗大徳寺派の禅寺です。
入口には、格式高い楼門形式の山門。
その先に広がる境内は、賑やかな温泉街からは隔てられた閑静な空間です。
本堂
山門をくぐった先、左手に立つのが、極楽寺の本堂。
周囲に縁をめぐらせた、大きなお堂です。
1921年(大正10年)の再建。
堂内には、極楽寺のご本尊、阿弥陀如来像(鎌倉時代末期)が安置されています。
枯山水石庭
本堂前には、美しい枯山水庭園が広がります。
この庭園は、極楽寺の一番の見どころ。
本堂の縁から全体を眺めてみましょう。
一面に広がる白砂の中、ところどころに浮かぶ石。
無言で何かを語りかけてくるようなこの石庭、「清閑庭」と呼ばれています。
境内入口近くの石庭の隅には、つくばいが置かれています。
このつくばいから流れ出ているのは、独鈷水(どっこすい)と呼ばれる湧き水。
その昔、城崎温泉を開いた、道智上人による発見と伝わる名水です。
なお、温泉地で湧き出ている水ではありますが、温水・熱水ではなく冷たい水。
夏の暑い時期には、その冷たさは心地よく感じられます。
極楽寺の周辺散策
風情ある街での外湯めぐりとブラ歩きが楽しい、城崎温泉。
極楽寺の近くにもいろんな名所あり。
ちょいと足をのばしてみませんか。
外湯・まんだら湯
城崎温泉には7つの外湯がありますが、その1つ、まんだら湯は極楽寺のすぐ近くにあります。
建物は、唐破風がついた仏堂風。
その中は、他の外湯と比べるとちょっと狭めです。
でも、ヒノキ造りの桶風呂(露天風呂)が、趣があってなかなか素敵です。
(城崎温泉や外湯めぐりについては、「城崎温泉」のページもご覧ください)
薬師公園ポケットパーク
極楽寺のすぐ北にある公園で、城崎温泉の元湯・薬師泉源があります。
また、公園内には、足湯やカフェもあり。
温泉街のブラ歩き拠点として利用しましょう。
温泉寺
温泉街の西、大師山にある温泉寺。
国重要文化財の本堂をはじめ、多数の文化財が残る古刹です。
山腹に立つ本堂・山頂の奥の院へは、城崎温泉ロープウェイの利用が便利。
ロープウェイの駅は、薬師公園ポケットパークの隣にあります。
極楽寺の基本情報
住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島801
電話番号:0796-32-2326
アクセス:(JR)城崎温泉駅から徒歩15分