風情ある石積みの景観で知られるまち、近江坂本。
比叡山延暦寺の門前町・日吉大社の社前町として栄えたこの町には、今も数多くの名所旧跡が残ります。
その坂本の名所の1つが、今回ご紹介する旧竹林院。
国指定名勝の美しい庭園で知られます。
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元は延暦寺の里坊
日吉大社の参道脇など、坂本の中には、里坊(さとぼう)と呼ばれる小寺院が数多く残ります。
里坊は、比叡山延暦寺の老僧が暮らしたお寺。
年をとって比叡山を下りたお坊さんが余生を過ごす、山麓の「隠居所」と思えばわかりやすいでしょうか。
その坂本の里坊の1つが、旧竹林院。
多くの里坊の中でも、格式高いお寺の1つであったそう。
ただし、「旧」がついていることからもわかるように、今はお寺ではありません。
明治時代に個人の手に移った後、大規模な改築が行われました。
また、現在は、大津市が所有・管理しています。
旧竹林院の見どころ
現在の旧竹林院の建物としては、二階建ての主屋があります。
その主屋の周りには、1000坪(3300㎡)の広さを誇る、回遊式の日本庭園。
この旧竹林院庭園は、国の名勝にも指定されています。
まずは主屋からお庭を鑑賞
旧竹林院に入るとまずは、主屋へ向かいます。
この主屋は明治時代に建てられたもの。
中は、畳敷きの静かな空間です。
主屋の縁側から庭園を眺めてみましょう。
目の前を小川がおだやかに流れ、その背後には緑豊かな築山。
畳の上に腰を下ろし、正面に広がる美しいお庭をのんびりと鑑賞できます。
また、主屋の二階にも上がることができます。
広い庭園全体を見渡せる二階は、周囲から隔絶された閑静な空間。
窓際に座ってお庭を眺めていると、自然と気持ちが落ち着きます。
時間が流れるのも忘れてしまいそう。
名勝庭園をひとめぐり
主屋から庭園を鑑賞したら、今度は、庭をめぐります。
庭園から主屋の方向を眺めると、うまい具合に借景となる1つの山が見えます。
この山は八王子山と呼ばれ、山頂には日吉大社の東本宮奥宮があります。
また、日吉大社の祭礼・山王祭では、暗がりの中、山頂の奥宮から神輿が東本宮まで降りる「午の神事」が催されます。
庭園の小道は、主屋から見えた小川の背後へと続いています。
小川のせせらぎを感じながら歩む道の両側。
この辺りは、青々した苔が一面に広がります。
小道の奥に立つ、苔に囲まれた四阿(あずまや)の姿が美しいですね。
また、四阿の他、庭園内には、大正時代に建てられた二棟の茶室もあります。
茶室は、一般の方でも利用可能です(ただし要予約)。
竹林院の基本情報
住所:滋賀県大津市坂本5丁目2番13号
電話番号:077-578-0955
開園時間:午前9時~午後5時(受付は午後4時半まで)
休園日:月曜日(祝日は開園、翌日休み)、祝日の翌日、年末(12/26〜12/31)
入園料:大人320円 小学生160円
アクセス:
(京阪)坂本比叡山口から徒歩10分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩20分
駐車場:有
ホームページ:旧竹林院公式サイト