大阪府の富田林南部に、嶽山(だけやま)と呼ばれる山があります。
この山の中腹にあるのが、今回ご紹介する龍泉寺。
創建は1200年以上もの飛鳥時代とも伝わる、長い歴史を誇るお寺です。
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季節の彩り豊かな境内
龍泉寺は、飛鳥時代、推古天皇の勅命・蘇我馬子による創建と伝わる、河内の名刹。
現在は、高野山真言宗のお寺です。
この龍泉寺の見どころの1つは、季節の彩り豊かな境内。
特におすすめは、春の桜と秋の紅葉の時期です。
その他にも、ツツジ、しょうぶ、あじさい、さざんかなど、四季折々で季節の花を楽しめます。
龍泉寺の境内見どころ
その長い歴史の間で、衰退と復興を繰り返してきた龍泉寺。
特に、鎌倉時代末期、楠木正成が嶽山に城を築くと、山の中腹にあるこのお寺も戦乱に巻き込まれ、多くの堂宇を失いました。
現在の境内に残るのは、焼失を辛くも免れた鎌倉時代の仁王門と、近世以降に再建された諸堂。
さらに、弘法大師ゆかりの名勝庭園(龍泉寺庭園)も残ります。
仁王門
境内入口に立つ朱色の八脚門。
この仁王門は鎌倉時代中期の建築。度重なる戦乱による焼失を免れた唯一の建物です。
国重要文化財の指定を受けています。
この門の左右には、それぞれいかつい顔をした一対の仁王像が、文字通り「仁王立ち」。
これらの仁王像も、鎌倉時代から残る貴重な文化財です。
境内の諸堂
仁王門をくぐった先、正面に立つのが龍泉寺の本堂。
まずはこちらの本堂へお参りを。
また、季節の彩り美しい境内の中、本堂を中心に、聖天堂、大日堂、行者堂などのお堂が立ち並びます。
龍泉寺庭園
本堂向かって左手に、大きな池を中心とした庭園が広がります。
「龍泉寺庭園」と呼ばれるこの庭園、国の名勝に指定されています。
庭園前には、神仏習合の名残と思われる石の鳥居。
その先の池には3つの中島が浮かび、それぞれ小さな祠が立っています。
ここは、弘法大師の伝説が残る地の1つ。
枯れ果てた池に向かって七日間もの祈祷を行った弘法大師。
すると、突然大雨が降り始めるとともに龍が登場し、一夜にして満水の池と島ができあがったそう。
池の奥には、弘法大師が雨乞いの祈祷をしたとされる「雨井戸」も残ります。
咸古神社
最後に、龍泉寺本堂の右奥に鎮座する咸古神社(かんこじんじゃ)をご紹介。
日本書紀などに登場する古代皇族・神八井耳命(かんやいみみのみこと)を祀ります。
この神社も、昔の神仏習合の名残。
明治の神仏分離までは龍泉寺の鎮守社とされ、牛頭天王を祀っていました。
龍泉寺の基本情報
住所:大阪府富田林市龍泉888
電話番号:0721-34-3134
拝観料:大人300円 小人150円
アクセス:
(近鉄)滝谷不動駅から徒歩40分
(南海・近鉄)河内長野駅から金剛バス乗車、「龍泉」下車徒歩10分