平等院|極楽浄土をイメージした、池に浮かぶ鳳凰堂(京都名所巡り)

平等院 寺院(京都)

京都・宇治の平等院は、平安時代の関白・藤原頼通によって創建されたお寺です。

池に浮かぶ美しい鳳凰堂は、10円玉に刻まれていることでも有名です。

鳳凰堂の他にも、多くの貴重な文化財が残るお寺。宇治では、宇治上神社とともに、世界遺産「古都京都の文化財」の構成要素です。

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現世における西方極楽浄土

平安時代の終わりの頃は、天災や兵乱が続き、世の中に不安感が広がりつつあった時代。

その不安感から逃れるため、人々の間に、阿弥陀如来に救済を求める浄土信仰が広がりつつありました。

平等院の鳳凰堂は、この世の西方にあるとされる、阿弥陀如来の極楽浄土を現世にイメージして建てられたと言われています。

平等院
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平等院の見どころ

平等院の境内の中心は、池の中にたたずむ美しい鳳凰堂。

数多くの文化財を収蔵する鳳翔館(宝物館)も見どころの1つです。

鳳凰堂

平安時代の1053年の創建。平等院の創建時から残る唯一の建物で、国宝指定。

境内の大きな池の中に東を向いて浮かぶ、翼を広げた鳳凰のような朱塗りのお堂。屋根には金色の鳳凰像が輝きます。

鳳凰堂の中には阿弥陀如来。池の東の畔から眺めれば、確かに、阿弥陀如来が座す西方極楽浄土に見えますね。

平等院鳳凰堂

鳳凰堂の中の内部拝観もできます。

堂内中央には、鳳凰堂本尊、高さ約2.8mの大きな阿弥陀如来坐像。平安時代の有名仏師・定朝(じょうちょう)による作で、国宝指定。

阿弥陀如来像の周囲には、それぞれ楽器をもつ、たくさんの菩薩像は軽やかに浮かんでいます。

全部で52体もあるこれらの菩薩さまは、雲中供養菩薩(うんちゅうくようぼさつ)と呼ばれます。こちらも国宝指定。

鳳凰堂拝観入口

平等院ミュージアム鳳翔館

平等院に残る数多くの貴重な文化財が収蔵されている鳳翔館。

鳳翔館の見どころは、次の三種類の国宝です。

  • 創建当時の鳳凰堂の屋根についていた初代鳳凰像(国宝)
  • 天下三名鐘の1つとされる梵鐘(国宝)
  • 雲中供養菩薩(国宝)

鳳凰堂の屋根には一対の鳳凰像がありますが、現在の鳳凰堂のものはレプリカで、鳳翔館に初代鳳凰像が収蔵されています。

平等院は鐘でも有名なお寺ですが、昔の梵鐘は今は鐘楼から取り外され、鳳翔館で保管されています。

鳳凰堂内にある52体の雲中供養菩薩のうち、その半数は実はレプリカ。レプリカと取り替えられた本物は、鳳翔館内で展示されています。

平等院ミュージアム鳳翔館

観音堂

鳳凰堂の東にある、寄棟造のお堂。

華やかな鳳凰堂に目を奪われて見逃されがちですが、これも鎌倉時代の貴重な建築物。国の重要文化財指定。

観音堂の内部は非公開。ただし、堂内に安置されていた十一面観音菩像は、鳳翔館で展示されています。

観音堂

鐘楼

鳳翔館の近くに立つ鐘楼。

梵鐘がかけられておりますが、これは二代目です(初代の国宝梵鐘は鳳翔館で展示)。

なお、この鐘楼付近は見晴らしのよい高台。ここから広い平等院の境内を一望できます。

鐘楼

源三位頼政の墓

平等院の塔頭(子院)、最勝院の本堂近くに、石の塔(宝篋印塔)が立っています。

これは、源三位頼政の墓。

源三位頼政は、平家全盛時代に、以仁王を奉じ平家追討を掲げて挙兵した人物です。しかし、残念ながら武運なく敗れ、平等院の境内で自刃。

しかし、この挙兵は反平氏の「のろし」となり、各地で源氏が蜂起するきっかけとなりました。

源三位頼政の墓

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平等院の基本情報

住所:京都府宇治市宇治蓮華116

拝観時間:8:30~17:30(受付終了17:15) 年中無休

拝観料(平等院庭園+鳳翔館):大人700円 中高生400円 小学生300円

鳳凰堂内部拝観:拝観料(志納金)300円

アクセス:JR宇治駅、または、京阪宇治駅より徒歩10分

駐車場:無(近隣駐車場利用)

ホームページ:平等院

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平等院地図