東本願寺は、京都・烏丸通に面した大きなお寺。浄土真宗の主要宗派の1つ、真宗大谷派の本山です。
なお、このお寺の正式名称は「真宗本廟」。東本願寺という名前は、西本願寺(本願寺)に対する通称です。
火災に悩まされてきた東本願寺
中世には織田信長と激しく争った本願寺。
その後、二つに分裂してともに京に移転し、それぞれ大伽藍を構えました。一方は堀川通に面した西本願寺、そして、もう一方が烏丸通の東本願寺です。
西本願寺に劣らない規模を誇る東本願寺。しかし、これまでたびたび火事に悩まされてきました。
特に、被害が大きかったのが、幕末の「どんどん焼け」と呼ばれる京の大火災です。
禁門の変(蛤御門の変)をきっかけに発生したこの大火災で、御影堂や阿弥陀堂など、伽藍のほとんどを焼失しました。
そのため、現在の東本願寺の建物の多くは、明治時代の再建です。

東本願寺境内の見どころ
東本願寺の正面は、烏丸通に面した東側。ここに、御影堂門と阿弥陀堂門の2つの門が並びます。
門をくぐった先の境内には、御影堂と阿弥陀堂が横並び。このレイアウトは、西本願寺とよく似ています。
境内は拝観自由。また、御影堂と阿弥陀堂はそれぞれ堂内に入って参拝できます。

御影堂門
遠くからでもよく目立つ巨大門、御影堂門(ごえいどうもん)。禅寺によく見かける、本瓦葺きの三門形式の門(二重門)です。
高さは27m。1911年(明治44年)の建築です。
知恩院三門、南禅寺三門とともに、京都三大門の1つに数えられることもあります。

阿弥陀堂門
御影堂門の左に立つ阿弥陀堂門(あみだどうもん)。こちらも、1911年(明治44年)の建築です。
壮麗・壮大な御影堂門と比べるとかなりこぶりな門で、意匠も大きく異なります。こちらは、檜皮葺、唐破風付きの、古風な四脚門です。

御影堂
御影堂門の後ろ、境内中央にどっしりと控える大きな仏堂が、御影堂(ごえいどう)。
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の像(御真影)を安置するお堂です。1895年(明治28年)の再建。
正面幅(間口)76m、奥行き58m。大きさ(建築面積)では、東大寺大仏殿や西本願寺の御影堂を上回ります。世界最大の木造建築物とされています。
二階建ての仏堂にも見えますが、実は平屋建て。下の屋根は、裳階(もこし)と呼ばれる庇(ひさし)です。

阿弥陀堂
阿弥陀堂門をくぐった先、御影堂の左に立つ阿弥陀堂(あみだどう)。
こちらは、浄土真宗の本尊、阿弥陀如来像を安置するお堂です。御影堂と同じく1895年(明治28年)に再建されました。
正面幅(間口)52m、奥行き47m。御影堂よりは小さいものの、一般のお寺の仏堂と比べれば十分に大きいお堂です。
屋根は入母屋の単層。また、禅宗様を随所に取り入れています。右隣の御影堂と見比べてみると、両社の印象はかなり異なります。

東本願寺の基本情報
住所:京都市下京区堀川通花屋町下ル
開門時間:(3月~10月)5:50~17:30 (11月~2月)6:20~16:30 (境内参拝自由)
アクセス:(JR・近鉄・地下鉄)京都駅から徒歩6分
駐車場:有
ホームページ:東本願寺