傘堂|二上山麓・當麻の里に立つ、一本足の奇妙なお堂(奈良名所巡り)

奈良県と大阪府の境にそびえる二上山。
その東麓に広がる葛城市當麻は、田園地帯が広がるのどかな里。

この當麻には、當麻寺などの名所がよく知られていますが、今回はちょっと変わった穴場名所をご紹介します。

それは、一本足の形をした建物、傘堂です。

傘堂

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傘堂の見どころ

二上山麓ののどかな道を歩いていると、林の中に突如現れる一本足。
傘のような形をした奇妙な建物です。

これが、當麻の隠れた名所、傘堂。

バランスよく立つ一本足のお堂

傘部分の屋根は宝形造り、本瓦葺き。
その重量のある方形の屋根を、太い一本の四角柱がバランスよく支えています。

雰囲気としては、お寺の地味な仏堂の感じ。
しかし、その「一本足」の形が与える印象は強烈。
一度見るとなかなか忘れません。

傘堂斜視

元は郡山藩主の位牌堂

この傘堂は、江戸時代前期、1674年の建築物。

当時、當麻の地は、郡山城を藩庁とする郡山藩・本多家の所領でした。
藩主・本多正勝の没後、その菩提を弔うための位牌堂(影堂)として建てられたのが、この傘堂です。

近づいて細かいところも見てみましょう。

一本柱の上部、屋根のすぐ下のあたりには、扉のついた小さな部屋があります。
この小部屋は、阿弥陀如来像を安置するための場所です。

傘堂の柱上部

また、屋根の軒瓦や鬼瓦には、すべて「本」の文字。
当時の郡山藩主・本多家の名残がこんなところに残されています。

この傘堂は、奈良県の有形民俗文化財の指定を受けています。

傘堂の屋根瓦

傘堂周辺の名所めぐり

傘堂の周辺には、次のような名所も点在しています。
二上山麓の散策がてら、ちょいと足をのばしてみませんか。

當麻寺

飛鳥時代の創建とも伝わる古刹。中将姫伝説でも知られます。

広い境内の中に、當麻曼荼羅を祀る国宝の本堂(曼荼羅堂)や、同じく国宝の東塔・西塔など、奈良時代~鎌倉時代の建物が数多く残ります。

當麻寺の子院、中之坊や奥院も見どころ。
また、牡丹(ボタン)の名所でもあります。
(詳細は「當麻寺」のページをご覧ください)

當麻寺

石光寺

こちらも中将姫とのゆかりの深いお寺。
また、當麻寺と並ぶ牡丹の名所です。

近年境内から発見された、日本最古の石仏(期間限定で公開)でも知られます。

石光寺

當麻山口神社

傘堂のすぐ近く。二上山麓の森に囲まれた静かな社です。

本殿では、瓊瓊杵尊(ニニギ)、木花之開耶姫(コノハナサクヤヒメ)、大山祇神(オオヤマヅミ)の三柱を祀ります。

當麻山口神社

傘堂の基本情報

住所:奈良県葛城市染野577

アクセス:(近鉄南大阪線)当麻寺駅から徒歩30分

備考:見学自由

ホームページ:傘堂(葛城市ホームページ内)

傘堂地図

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