二条城|家康が築いた幕府の城、今も残る将軍の御殿(京都名所巡り)

京都の二条城は、江戸時代初期に築城された徳川幕府のお城です。

城内には、歴代将軍が使用した二の丸御殿(国宝)など、江戸時代の貴重な建物が残ります。

1994年には、京都の有名社寺とともに世界遺産「古都京都の文化財」に登録されました。

また、日本100名城の1つにも選ばれています。

二条城

スポンサーリンク

家康が築いた幕府のお城

二条城は、江戸時代初期に徳川家康によって築城された、江戸幕府のお城です。

将軍上洛時の宿泊所として作られたこのお城。
また、京の禁裏や大坂城の豊臣家の監視という、重要な役割もありました。

初代・家康はもちろん、二代・秀忠、三代・家光もここを使用。

特に、家光時代の1625~1626年には、天皇行幸を控えて大改修されています。

ただし、大坂の陣で豊臣家が滅んだ後は、二条城の重要度は低下。
太平の時代に、将軍がやってくることもありませんでした。

二条城本丸

次に、この二条城が脚光を浴びたのは、幕末動乱の時代です。

尊皇攘夷の嵐が吹き荒れる中、14代将軍家茂・15代将軍慶喜が入城。

特に、最後の将軍・徳川慶喜が、二の丸御殿の大広間で大政奉還を表明した話は有名です。

幕府の創立から倒幕までを見届けた二条城。
明治維新後も破却されることなく、現代まで大切に残されてきました。

二条城二の丸

城内・見どころ紹介

では、次に、現代の二条城の城内をご紹介していきましょう。

二条城は、二の丸の中に本丸がすっぽりと収められた、輪郭式の城郭。

また、本丸は内堀で囲まれ、二の丸の周囲にも外堀が巡らされた、二重堀構造です。

なお、現在の二条城、主な見どころは二の丸に集中。
二の丸御殿をはじめ、国宝や国重要文化財に指定された建物が数多く残ります。

二条城・城内風景

東大手門

東の堀川通りに面して立つ東大手門(国重要文化財)。
江戸時代前半の1662年の建築物です。

真上に櫓(多門櫓)が載った、いわゆる櫓門形式の門。
幕府のお城の正門にふさわしい威容を誇ります。

二条城・東大手門

番所

東大手門から入城してすぐのところに、やや地味な平屋の建物があります。

これは番所、番人の詰所です。1663年の建築物。

東大手門に隠れて見落とされがちですが、実はこれも貴重な建物。

番所は、二条城以外では、江戸城(皇居)など一握りのお城にしか残されていません。

二条城・番所

唐門

二の丸の中で、ひときわ目立つきらびやかな唐門(国重要文化財)。

唐破風が前後にある、いわゆる向唐門。
各所に極彩色の彫刻が施された美しい門です。

二条城・唐門

二の丸御殿

唐門先にあるのは、二の丸御殿(国宝)。
ここが、二条城最大の見どころです。

この御殿は、将軍上洛時にはその滞在場所となりました。

昔は、江戸城、大坂城、名古屋城にも同規模の御殿がありましたが、そのうち、現在残されているのはここだけです。

造営は1603年、また、1626年に大改修されています。

二条城・二の丸御殿

二の丸御殿内は一般公開されています。
(ただし、文化財保護のため、二の丸御殿内の写真撮影は禁止)

遠侍(とおざむらい)、式台(しきだい)、大広間(おおひろま)、蘇鉄の間(そてつのま)、黒書院(くろしょいん)、白書院(しろしょいん)の全6棟で構成。

特に、大広間の一の間・二の間は、第15代将軍徳川慶喜が、諸藩重臣を前に「大政奉還」を表面した場所として有名です。

二条城・二の丸御殿側面

二の丸庭園

二の丸御殿の西側には、二の丸庭園(国特別名勝)が広がります。

御殿内からも鑑賞できるように設計された、池泉回遊式の庭園です。

家光時代の二条城改造時に、作庭家として有名な小堀遠州により、この庭も改修されました。

二条城・二の丸庭園

本丸

二の丸庭園の先には、内堀に囲まれた本丸があります。

本丸に残る主な建物は、本丸御殿(国重要文化財)。

ただし、この本丸御殿は元から二条城にあったものではありません。
御所近く(現在の京都御苑内)の桂宮邸からの移築です。

本丸御殿の周囲には、芝生が美しい洋風庭園が広がります。

二条城・本丸風景

天守閣跡

また、本丸の南西隅には、天守閣跡(天守台)が残ります。

ここには、その昔、伏見城から移築された、五重六階の天守閣がありました。

ただ、その天守閣は、江戸時代中期に落雷で焼失。
その後は再建されることはなく、石垣で作られた台だけが残されています。

天守閣跡には登ることができます。
ここは二条城の中で一段高い場所、城内を一望できます。

二条城・天守閣跡

城外・外堀めぐり

さて、二条城では、城内だけでなく、城外から眺めるのもおすすめ。

外堀沿いに美しい石垣が続き、要所要所に江戸時代の櫓や門が残されています。

城内の見学を終えたら、次は外堀をひとめぐりしてみませんか。

二条城・外堀

東南隅櫓

東大手門を出て南に行くと、お城の東南角に立つ二重櫓があります。
これは、東南隅櫓(国重要文化財)です。

二条城・東南隅櫓

西南隅櫓

東南隅櫓から城の南側を外堀沿いに西に進むと、西南角にも二重櫓があります。

こちらは西南隅櫓(国重要文化財)。

似た形の2つの櫓ですが、屋根に付いている破風が異なります。
東南隅櫓は三角の千鳥破風、こちらは唐破風です。

二条城・西南隅櫓

西門(埋門)

西南隅櫓の北には、石垣と土塀に取り囲まれた小さな門があります。

これは西門(国重要文化財)。「埋門」とも呼ばれます。

なお、現在、西門前の外堀には橋がありません。

昔は木橋がかけられていましたが、火事で失われてしまい、現在は門だけが残ります。

二条城・西門

北大手門

最後は、お城の北側に立つ北大手門(国重要文化財)。

東大手門と同じ櫓門形式ですが、東大手門と比べるとやや小ぶり。

なお、北大手門は、普段、門自体は開かれていますが、ここから城内に入ることはできません。

二条城・北大手門

二条城の基本情報

住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541

電話番号:075-841-0096

開城時間:
(通常)午前8時45分~午後4時(午後5時閉城)
(7~8月)午前8時~午後5時(午後6時閉城)
(9月)午前8時~午後4時(午後5時閉城)
(夜間観覧:3月下旬~4月中旬)午後6時~午後9時(午後9時半閉城)

入城料:
(一般)1000円(入城料600円+二の丸御殿観覧料400円)
(中高生)350円
(小学生)200円

(注)2019年10月から、一般の入城料は620円、観覧料は410円にアップ

休城日:年末(12/29~12/31)

アクセス:(地下鉄東西線)二条城前駅から徒歩すぐ (JR)二条駅から徒歩17分

駐車場:有(ただし、近年は来城者が多いため、公共交通機関の利用を推奨)

ホームページ:元離宮二条城

二条城地図

スポンサーリンク