兵庫県の阪神地域、特に、神戸市東部と西宮市は、日本有数の酒どころ。
大小の蔵元が集まる西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5つを合わせ、「灘五郷」とも呼ばれます。
その灘五郷の1つ、西宮郷の辰馬本家酒造は、古くから「白鹿」ブランドで知られる酒造メーカー。
今回は、この辰馬本家酒造が運営するお酒の資料館、白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)をご紹介します。
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灘の酒づくりに欠かせない名水「宮水」
米と水を主原料とする日本酒は、大変シンプルなお酒。
逆にいえば、その原料の質が、お酒の品質に大きく影響します。
そして、灘で酒づくりが盛んになった理由の1つが、名水の存在です。
西宮神社の近くで湧き出ることから、付いた名が「宮水(みやみず)」。
ミネラルを豊富に含んだ、酒づくりに最適な水です。
水質汚染を危惧されながらも、さまざまな人々の努力もあって、現在も水質が維持されている宮水。
今も、この辺りには、宮水をくみ出すための取水井があちこちに設置されています。
白鹿記念酒造博物館の見どころ
この宮水湧出地域の近くにあるのが、「白鹿」の辰馬本家酒造。
創業は1662年。灘五郷の蔵元の中でも特に長い歴史を誇ります。
1983年からは白鹿記念酒造博物館を運営。
この施設は、酒造に関するさまざまな資料を展示する「お酒の博物館」。
記念館と酒蔵館の2つの建物で構成されています。
入館は有料ですが、入館記念品がもらえます。
お酒好きにはうれしい、白鹿特製の日本酒のおみやげです。
記念館
記念館は、日本酒に関する歴史や文化についての資料展示が中心です。
常設展示の他、特定のテーマに絞って収蔵品などを展示する、企画展示も行われています。
酒蔵館
酒蔵館では、昔の酒づくりが紹介されています。
館内には、麹(こうじ)室や大桶など、昔使用されていた酒造用具や施設が数多く展示。
麹つくり、酒母つくり、もろみつくり(三段仕込み)など、酒づくりにおける重要工程が順番に紹介されています。
専門用語が多く、素人にはなかなかわかりにくい「酒づくり」。
しかし、ここでは、あまり詳しくない人でもイメージしやすいよう、いろいろと工夫されています。
例えば、昔の用具を用いた視覚的な紹介を多用。
また、大型スクリーンでの映像による説明もわかりやすいです。
直営店・白鹿クラシックス
なお、酒蔵館の隣には、蔵元直営のショップ&レストラン「白鹿クラシックス」があります。
有名な「黒松白鹿」など多彩な品揃え。ここでしか買えない限定酒も置かれています。
記念館の見学を終えたら、ちょっと立ち寄って気軽に覗いてみましょう。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)の基本情報
住所:兵庫県西宮市鞍掛町8−21
電話番号:0798-33-0008
開館時間:午前10時~午後5時
休館日:毎週火曜日(祝日の場合はその翌日休館)、年末年始、夏期休暇
入館料:一般400円 中・小学生200円(特別展開催時は別料金)
アクセス:阪神西宮駅から徒歩15分
ホームページ:白鹿記念酒造博物館(白鹿ホームページ内)