葛井寺|ご本尊の千手観音、その手の数は本当に千本(大阪名所巡り)

大阪市の南東、南河内地方にある藤井寺。

ここは、古くは河内の国府が置かれた歴史ある地であり、今も、市内各所にさまざまな名所旧跡が残ります。

その1つが、「藤井寺」という市名の由来でもある、葛井寺(ふじいでら)。

街の中心部、住宅地に囲まれて立つこのお寺は、藤井寺一番の名所。
西国三十三所第五番札所としても知られます。

街中に立つ葛井寺

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本当に千の手を持つ千手観音

葛井寺は、聖武天皇勅願、奈良時代の創建とも伝わる古刹。
現在は、真言宗御室派の寺院です。

ご本尊は、本堂安置の千手観音坐像(十一面千手千眼観世音菩薩)。

千手観音といっても、普通は手が40本程度しかないことが多いのですが、ここの観音さまは違います。

胸の前で合掌する2本の手の他に、体の両側からのびる無数の手。
仏具をもつ38本の大手と千本の小手、文字通りの「千手観音」です。

千本の手を持つ千手観音が残るのは、奈良の唐招提寺などごくわずか。
また像自体も、奈良時代・8世紀頃の作という貴重なもの。国宝に指定されています。

葛井寺ご本尊ご開帳

なお、この千手観音は秘仏で、普段は厨子の扉は閉ざされています。

ご開帳日は、観音菩薩の縁日である毎月18日です。
また、毎年8月9日の「千日まいり」の日にも特別にご開帳されます。

普段は落ち着いた雰囲気の葛井寺境内。
しかし、ご開帳の日は出店なども並び、境内は大勢の参拝客で賑わいます。

縁日の葛井寺境内

葛井寺の境内見どころ

中世以降、繰り返される兵火や天災で、たびたび伽藍を焼失した葛井寺。
現在残る建物の多くは、桃山時代~江戸時代にかけて再建されたものです。

では、葛井寺境内の主な建物をご紹介していきましょう。

南大門

境内の南に立つ朱色の大きな門は、葛井寺の顔。

二階建ての楼門形式、三間一戸の門で、左右には仁王像が立ちます。
江戸時代後期、1800年頃の建築物です。

葛井寺南大門(楼門)

本堂

南大門をくぐった先、正面に立つ大きなお堂。
葛井寺ご本尊の千手観音を祀るお堂です。

普段は外陣までしか入ることができませんが、本尊の開帳日に限り、内陣の中に入ることができます。

葛井寺境内・本堂

この本堂は、江戸時代中期の1776年の建築。
正面の蟇股や頭貫の木鼻など、ところどころに施された装飾も見ものです。

葛井寺本堂

護摩堂

真言密教のお寺では不動明王が祀られているお堂をよく見かけます。
この葛井寺にもあります。それが、本堂のすぐ西側に立つ護摩堂。

堂内中央には不動明王。
左右には、千手観音と役行者の像が安置されています。

葛井寺護摩堂

阿弥陀堂

境内西側、東を向いて立つ阿弥陀堂。
堂内には、数多くの仏像がずらりと並べられています。

仏像群の中央は、阿弥陀如来。
その周囲に、観音菩薩・勢至菩薩をはじめ、聖衆来迎25体の菩薩が揃い踏みです。

葛井寺阿弥陀堂

西門

境内の西に立つ四脚門。
桃山時代、豊臣秀頼による建立。国重要文化財指定。

古くは、「南大門」として使われていた門です。

現在の南大門と比べるとかなり小ぶり。
しかし、桃山時代の建築物らしく、頭貫の木鼻など、随所に見事な意匠が凝らされています。

葛井寺西門(四脚門)

葛井寺の基本情報

住所:大阪府藤井寺市藤井寺1丁目16−21

電話番号:072-938-0005

参拝時間:午前8時~午後5時

備考:境内自由(本尊開帳日の本堂拝観料500円)

アクセス:(近鉄南大阪線)藤井寺駅から徒歩3分

ホームページ:西国五番 葛井寺

葛井寺地図

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