大阪府北部の箕面は、市内に森が広がる自然あふれるまち。
この箕面の森の中に1つの名刹あり。
それが、今回ご紹介する勝尾寺(かつおうじ)。「勝運」で知られる高野山真言宗のお寺です。
西国三十三所観音霊場の第二十三番札所、また、箕面の紅葉名所の1つでもあります。
勝運の寺
勝尾寺は、奈良時代末期、光仁天皇の皇子・開成(かいじょう)によって創建されたと伝わる古刹。
平安時代には清和天皇の病を祈祷によって治癒し、「勝王」の名を賜りました。
しかしさすがに「王に勝つ」は畏れ多い、ということで寺名を「勝尾寺」にしたという逸話も残ります。

この伝承もあり、勝尾寺は、古来より、己に勝つ「勝運」のお寺とされてきました。
勝尾寺といえば、有名なのが「勝運ダルマ」。
ダルマと聞けば選挙を思い浮かべますが、その他にも、スポーツなどの必勝祈願や合格祈願などで参拝に訪れる人も多いです。
境内の奉納所には、たくさんの赤いダルマが置かれています。

また、勝尾寺の境内では、あちこちにかわいらしい小ダルマを見かけます。
こんなところにもミニダルマ!
境内をめぐりながらダルマを探してみましょう。

箕面を代表する紅葉の名所
関西でも有数の紅葉の名所として知られる箕面。
勝尾寺は、箕面公園の滝(箕面大滝)とともに箕面を代表する紅葉の名所です。
燃えるようなモミジで赤一色に美しく染め上がった、晩秋の勝尾寺境内は格別です。

勝尾寺の境内見どころ
緑豊かな勝尾寺の境内には、朱色で統一された美しい伽藍が残ります。
勝尾寺境内の主な建物をご紹介していきましょう。
山門(仁王門)
境内の入口に立つ朱色の山門。豪壮な楼門形式の二階建ての門です。
左右には、これまた朱色の金剛力士(仁王)が立ち、参拝客を迎えます。
この山門は、慶長年間、豊臣秀頼による再建と伝わります。

山門表側、二階正面の扁額は「應頂山」。勝尾寺の山号です。
一方、山門の内側にも扁額あり。
こちらは「勝王寺」。昔の天皇から賜ったとされる、由緒ある三文字です。

本堂
境内奥の高所に立つ本堂は、正面五間、奥行四間、入母屋造のどっしりとしたお堂です。
山門と同様、慶長年間、豊臣秀頼による再建と伝わります。
本堂内陣には、勝尾寺のご本尊、十一面千手観音菩薩が祀られています。

多宝塔
真言密教の寺院でよく見かける多宝塔。高野山真言宗のお寺、勝尾寺にもあります。
下層が方形、上層は円形の二重の宝塔です。

この多宝塔は境内奥の一段高い位置に立っています。
下から眺めても絵になる、その美しい姿。逆に多宝塔の周辺からは、山門など境内全体を一望できます。

勝尾寺の周辺散策
勝尾寺の周辺は、山に囲まれた自然あふれるエリア。
お寺の参拝と合わせて、ハイキング感覚で近くを散策してみませんか。
箕面大滝
箕面のシンボル・箕面大滝。箕面公園の中にあります。
勝尾寺前の車道を道なりに進めば、箕面大滝まで行くことができます。徒歩で40分程度。下り道が続きますので、比較的楽に歩けます。


東海自然歩道・開成皇子墓
勝尾寺の裏手から、北へ細い坂道がのびています。この坂道の先は、東西に走る東海自然歩道に合流。
東海自然歩道では、森の中の快適なハイキングが楽しめます。
途中には、勝尾寺の開山、開成皇子の墓。さらに道を進めば、箕面大滝へ行くこともできます。

ただし、こちらのルートは、ハイキング中級者~上級者向き。特に、勝尾寺から東海自然歩道までの裏道は、かなり傾斜が急です。
また、距離も長く、勝尾寺から箕面大滝まで1時間以上かかります。
勝尾寺の基本情報
住所:大阪府箕面市勝尾寺
参拝時間:
(平日・日曜・祝日)午前8時~午後5時
(土曜)午前8時~午後6時
入山料:大人500円 小中生400円 未就学児100円(2歳以下無料)
アクセス:(北大阪急行)千里中央駅・箕面萱野駅から阪急バス、「勝尾寺」下車徒歩すぐ
駐車場:有(要予約・有料)
ホームページ:勝尾寺