岸和田城|水堀に囲まれた本丸に、三層天守と名勝庭園(大阪名所巡り)

だんじり祭りで知られる、大阪府南部の岸和田。
ここは、江戸時代・岸和田藩5万3千石の城下町でありました。

今回は、この岸和田の一番の名所、岸和田城をご紹介します。
本丸に三層の美しい天守閣がそびえる、岸和田のシンボルです。
続日本100名城にも選ばれています。

岸和田城

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泉州を代表するお城

現在の大阪府南部は昔の和泉国の領域であり、今も「泉州」と呼ばれます。

桃山時代以降、岸和田城は、泉州を代表するお城の1つでありました。
本丸には、五層の立派な天守閣がそびえていたそうです。

また、岸和田は大坂と和歌山の間にあり、戦略的にも重要な場所。

桃山時代には、羽柴(豊臣)秀吉による紀州征伐の拠点となりました。
江戸時代においては、将軍直轄の大坂城の南方を守る重要なお城でした。

天守閣がそびえる岸和田城

岸和田城の見どころ

水堀でぐるりと取り囲まれた岸和田城の本丸。

この本丸に存在した昔の天守閣は、江戸時代後期に落雷で焼失しています。
また、明治維新後には、櫓などの他の建物も破却されました。

天守閣も含め、現在の本丸に立つ建物は、すべて戦後の再建。
ただし、石垣については、昔のものが残されています。

では、本丸の主な見どころをご紹介していきましょう。

岸和田城・本丸の天守閣

石垣

まず、本丸に入る前に、水堀から立ち上がる石垣を眺めてみましょう。
場所によって石の積み方がかなり違っていることに気づかれると思います。

例えば、下の写真では、右側は石のサイズも形もばらばら。
一方の左側は石の形が揃っており、見た目も美しいです。

これは、石垣の築造年代が異なっている証拠。
築城技術が向上した後年のものほど、きれいに成形されている傾向にあります。

岸和田城・本丸石垣

もう1つ、岸和田城の石垣で特徴的なのが「犬走り」。

石垣は、水中から上まで一気に立ち上がっているのが普通ですが、ここの石垣は二段構造になっています。

水面の上にいったん平らな部分(犬走り)が作られ、その上に、上の石垣が改めて築かれています。

岸和田城・本丸の犬走り

堅い守りが再現された本丸入口

本丸への入口(虎口)は北西にあります。

お堀にかかる土橋の先に、重厚な造りの門が立っています。
これは、上に櫓が載せられた形式の門で、櫓門と呼ばれます。

岸和田城虎口

櫓門は、門前の敵に対して、真上の櫓から矢玉を浴びせて撃退できる「鉄壁の門」。
さらに、門の右手には、敵に横矢を射かける隅櫓。
本丸入口には、昔の堅い守りがしっかりと再現されています。

岸和田城櫓門

天守閣

櫓門をくぐった先が本丸。
この本丸には、岸和田のシンボル、美しい天守閣がそびえます。

三層の大天守と二層の小天守が横につながった構造。
このような天守閣は、一般に、連結式天守と呼ばれます。

なお、この天守閣は、戦後間もない昭和29年に再建されたものです。

岸和田城天守閣

天守閣の中にも入れます(入場は有料)。
中は1階と2階が展示スペース、最上階の3階は展望室です。

3階展望室の屋外からは、周辺の景色を一望できます。
天気がよければ、淡路島や明石海峡大橋も見えますよ。

岸和田城・天守閣3階からの眺望

国名勝・八陣の庭

天守閣の前の広々としたスペースに、国名勝指定の枯山水庭園があります。
その名は、「八陣の庭」。

枯山水というと、龍安寺石庭のような和風なお庭を想像されるかもしれませんが、この八陣の庭はやや趣が異なります。

中国・三国時代の名軍師、諸葛孔明が使用したとされる、八陣法をモチーフにした庭園です。

岸和田城庭園「八陣の庭」

天守閣の3階から眺めると、八陣の全貌がよくわかります。
一面広がる白砂の上に、意味ありげに置かれた石たち。

中央の「大将」の周りに置かれた8つの石群。
それぞれ、天・地・竜・虎・風・雲・鳥・蛇の八陣を示しています。

岸和田城・天守閣から眺める八陣の庭

岸和田城の基本情報

住所:大阪府岸和田市岸城町9番1号

電話番号:072-431-3251

天守閣開場時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時まで)

休場日:毎週月曜日 年末年始(12/29~1/3)

入場料:大人300円(中学生以下は無料)
岸和田だんじり会館・きしわだ自然資料館との3館共通入場券(大人700円)もあり)

アクセス:
(南海本線)岸和田駅から徒歩12分
(JR阪和線)東岸和田駅から徒歩30分

ホームページ:岸和田城(岸和田市ホームページ)

岸和田城地図

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