琵琶湖南端、瀬田の唐橋のすぐ東に鎮座する建部大社(たけべたいしゃ)。
近江国一宮として、古くから近江国中の崇敬を集めてきました。
祭神は、日本神話に登場する常勝の英雄・日本武尊(ヤマトタケル)です。
祭神は英雄・ヤマトタケル
ヤマトタケルは、第12代景行天皇の皇子。
父の命により日本各地へ遠征し、熊襲(九州南部)や東国の征討では連戦連勝。朝廷に従わない勢力を次々と討ち滅ぼした、伝説の英雄です。
このヤマトタケルを祀るのが建部大社で、創建は景行天皇46年(316年)とも伝わります。

建部大社の境内見どころ
京の周辺にある他の古い神社仏閣と同様、この建部大社も、その長い歴史の中で、兵乱などによる焼失と再興を繰り返してきました。
現在の社殿はその歴史からすればかなり新しく、江戸時代・幕末に建てられたものです。
神門をくぐった先の境内は、一面に白砂が広がる厳かな空間。その主な見どころをご紹介していきましょう。

拝殿と三本杉
正面に見えるのは、拝殿(祈祷所)。ここからご本殿を拝めます。
拝殿の右前にあるのは、ご神木の「三本杉」。
権殿に大己貴命(オオナムチ)が祀られたときに、一夜にして大木に成長したという言い伝えがあります。

本殿と権殿
拝殿の後には、ともに一間社流造、同じ形の2つの社殿が横に並んでいます。
左側が本殿、右側が権殿です。

本殿の祭神は、ヤマトタケル。常勝の英雄を祀ることから、御利益はもちろん「必勝」です。
権殿の祭神は、大己貴命(オオナムチ)。こちらは、奈良時代に、奈良・桜井の大神神社(おおみわじんじゃ)から勧請された神さまです。

源頼朝ゆかりの社
古くより武門からの崇敬も篤い建部大社、鎌倉幕府を開いた源頼朝とのゆかりも深い社です。
父・源義朝が平治の乱で敗れた後、東国伊豆へ流された頼朝。その途中で、この建部大社に参籠し、源家再興を祈願したと伝えられます。
その後、頼朝は、平氏を倒して鎌倉幕府を打ち立て、願いを叶えました。この逸話から、建部大社は、出世開運・大願成就の御利益でも知られます。
境内の一角にご神水があります。その名も「頼朝公の出世水」。

建部大社の基本情報
住所:大津市神領1丁目16-1
参拝時間:5:00~17:00(境内参拝自由)
アクセス:(京阪)唐橋前駅から徒歩10分 (JR・京阪)石山駅から徒歩25分(石山駅から路線バスあり。詳細は建部大社ホームページ参照)
駐車場:有
ホームページ:近江國一之宮 建部大社