菅原道真を祀る天満宮は日本各地に存在しますが、その中でも有名なのが、京都の北野天満宮。
関西でも屈指の人気を誇る「学問の神さま」。また、京都を代表する梅の名所としても知られます。
祭神は学問の神さま・菅原道真
菅原道真は、平安時代の貴族で、右大臣の高位まで上り詰めたお人です。
しかし、京での政争に敗れて九州・太宰府に左遷。失意の中、生涯を終えました。
その後、日本各地で道真公を祀る天満宮が創建されましたが、中でも、京都の北野天満宮と福岡の太宰府天満宮は双璧。
北野天満宮は、日本全国の天満宮の総本社とも言われています。
また、優れた学者で詩人でもあった菅原道真を祀る、北野天満宮は学問の神さまとして知られます。
その人気は関西屈指。受験シーズンには大勢の受験生が合格祈願に訪れます。

北野天満宮の境内見どころ
北野天満宮の創建は、平安時代の947年。
以後、長らく朝廷の篤い崇敬を受けてきましたが、中世には戦乱にも巻き込まれ、衰退も経験しています。
慶長年間以降、豊臣秀頼の寄進などを受け、次々と建物が建立されました。現在の境内には、その当時の権現造の社殿や三光門が今も残ります。

表参道~楼門
境内の南端から北にのびる表参道。一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居。3つの石の鳥居が順に並びます。
三の鳥居をくぐったその先に、大きな二階建ての楼門が見えてきます。
門の入口左右には、弓矢を手にした随身像が控えます。

三光門
楼門をくぐった先は、北野天満宮の境内中心部。奥へ進むと、正面に唐破風と千鳥破風がついた古風な門が見えてきます。
この門は、三光門。江戸時代初期の建築物で、国の重要文化財に指定されています。
正面に掲げられた扁額「天満宮」の文字は、江戸時代の第111代後西天皇の御宸筆です。

社殿(拝殿・本殿)
三光門をくぐった先は、廻廊に取り囲まれた厳かな空間。その正面に、大きな社殿が立っています。

この社殿は、奥の本殿と手前の拝殿とが、中間の石の間で連結された構造。
徳川家康を祀る東照宮などでよく見られる様式で、「権現造」とも呼ばれます。
この社殿は、桃山文化がまだ色濃く残る慶長年間(1607年)、豊臣秀頼により造営されました。国宝にも指定されています。
極彩色の彫刻など随所に施された美しい装飾も見どころです。

絵馬所
北野天満宮の境内、社殿から楼門へ戻る道の途中に、古い絵馬所があります。
江戸時代中期、1700年頃の建物で、現在は休憩所として使われています。
ご本殿への参拝を終えたら、休憩がてら、絵馬殿の天井を眺めてみましょう。頭上には、奉納された大小さまざまな絵馬。江戸時代のものも数多くあります。

梅ともみじの名所
菅原道真がこよなく愛した梅。梅は、神紋にも使われる北野天満宮のシンボルです。
また、北野天満宮は、京都有数の梅の名所として知られます。境内南側、表参道の横には梅苑があります。
この梅苑は、2月初旬~3月下旬の梅の開花時期に、一般公開されます。白梅・紅梅、さまざまな種類の梅の花を楽しめます。

一方、境内の西側には豊臣秀吉が築いた土塁、史跡・御土居(おどい)が残ります。
こちらは、もみじの名所。
10月~12月は鮮やかな紅葉。ピークの11月下旬には一帯が真っ赤に色づきます。一方の5月は青もみじ。若々しさを感じさせる新緑も美しいです。

境内の臥牛さがし
梅と並び、菅原道真との縁の深いのが牛。天神さんでは、牛が神のお使いです。
どの天満宮でも、座り込んだ牛(臥牛)の像があります。しかし、ここ北野天満宮の臥牛は、その数が半端ないですね。
表参道の脇、楼門近く、三光門の前、絵馬所の側など、本殿の道真公を取り囲むように、境内のあちこちで寝そべっています。
また、黒い牛、まだら模様の牛、目の赤い牛など、その姿も個性豊か。境内をめぐりながら、個性豊かな牛たちを探してみましょう。

北野天満宮の基本情報
住所:京都市上京区馬喰町
参拝時間:7:00~17:00(境内参拝自由)
アクセス:
(京福電鉄北野線)北野白梅町駅から徒歩5分
(バス利用)京都駅・地下鉄今出川駅・京阪出町柳駅・阪急大宮駅などから市バス乗車、「北野天満宮前」下車すぐ
駐車場:有
ホームページ:北野天満宮
梅苑・もみじ苑情報
梅苑公開:
(公開期間)2月上旬~3月下旬
(入苑時間)9:00~16:00
(入苑料)大人(中学生以上)1200円 こども600円
御土居・もみじ苑公開:
(公開期間)10月下旬~12月上旬
(入苑時間)9:00~20:00
(入苑料)大人1200円 こども600円
御土居・青もみじ公開:
(公開期間)4月中旬~6月下旬
(入苑時間)9:00~20:00
(入苑料)大人(中学生以上)500円 こども250円