等持院|足利氏の菩提寺にずらりと並ぶ、歴代将軍の像(京都名所巡り)

京都北山・衣笠山の南の麓に、等持院(とうじいん)というお寺があります。

ここは、室町将軍・足利氏とのゆかりの深い禅寺。

金閣寺や龍安寺など、周辺の有名寺院の陰に隠れていますが、この等持院も、見どころの多い京都北山の名所の1つです。

等持院

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足利将軍家の菩提寺

等持院の創建は、室町時代初期(南北朝時代)の1341年。
開基は、室町初代将軍の足利尊氏です。

また、尊氏自身もその死後、この等持院に葬られました。
以後、等持院は足利将軍家の菩提寺となり、室町時代を通じて幕府の庇護を受けました。

現在の等持院は、臨済宗天龍寺派に属するお寺です。
なお、天龍寺派は、等持院と同じく足利尊氏による創建の、天龍寺を大本山とする臨済宗の一宗派です。

等持院庫裡(拝観入口)

等持院の境内見どころ

等持院は、その創建以来、応仁の乱などの戦乱や火災でたびたび伽藍を失っています。
方丈や霊光殿など主な建物は、江戸時代以降の建築です。

また、方丈の周囲に広がる美しい庭園も見どころの1つです。

(注)2017年6月より、解体修理工事のため、方丈・霊光殿の拝観は一時中止されています。

方丈

入母屋造・一層の大きなお堂で、現在の等持院の中心的な建物。

もとは、1616年に福島正則が建立した、妙心寺塔頭の建物と伝わります。
江戸時代後期の1818年に等持院に移築されました。

等持院境内

霊光殿

方丈の隣に立つのが霊光院は、等持院一番の見どころ。
その理由は、堂内に安置された数多くの貴重な像。

堂内奥、中央に置かれているのは、足利尊氏の念持仏であった地蔵菩薩。
その左右に、歴代の足利将軍の像がずらりと並びます。

左には初代の尊氏から8代義政まで、右には9代義尚から15代義昭の像。
ただし、室町15代のうち、第5代と第14代将軍の像はここにはありません。

また、霊光殿内には、徳川家康の像もあります。
42歳の家康像で、石清水八幡宮で厄除けの霊験を受けたとされています。

等持院・霊光殿

庭園

方丈の周囲には、心字池と芙蓉池という2つの池を中心とした、池泉回遊式の美しい日本庭園が広がります。

さつきにくちなし、芙蓉(ふよう)など季節の花で彩られる庭園、四季折々の風景を楽しめます。

等持院庭園

庭園の北の奥、ちょっと高台になった位置には、「清漣亭」という名の茶室が残ります。

茅葺き屋根の素朴な造りの茶室ですが、禅寺の中で「わびさび」の効いた趣を感じさせます。

等持院・庭園と茶室

足利尊氏墓所

この等持院の庭園内には、もう1つ見どころがあります。
それは、等持院の開基でもある、室町初代将軍・足利尊氏のお墓。

宝篋印塔が、緑豊かなお庭の中に隠れるように立っています。
庭園巡りの際に、見落とさないようご注意ください。

等持院・足利尊氏墓所

等持院の基本情報

住所:京都市北区等持院北町63

電話番号:075-461-5786

拝観時間:午前9時~午後4時半

アクセス:
(京福電鉄北野線)等持院駅から徒歩10分
(バス利用)京都駅、京阪三条駅などから市バス乗車、「等持院南町」・「立命館大学前」下車、徒歩10分

駐車場:有(10台)

ホームページ:臨済宗天龍寺派 等持院

等持院地図

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