商売繁盛の神さまとして知られる、京都の伏見稲荷大社。
その境内に立ち並ぶ朱色の社殿の背後に、こんもりとした山が見えます。
このお山は、稲荷山(いなりやま)。
伏見稲荷のご祭神・稲荷大神が降臨したとされる聖なる山です。
今回は稲荷山参拝登山、通称「お山めぐり」をご紹介します。
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「お山めぐり」とは?
伏見稲荷大社の背後に鎮座する稲荷山。
3つの峰(一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰)を持つ三連の山で、最高峰・一ノ峰の標高は233mです。
古くは山内に数多くの社が建てられていた稲荷山。
現在も、各所に古い社や祠が残ります。
そのうちの7カ所は、特に「神蹟」と呼ばれています。
鳥居が立ち並ぶ独特な雰囲気の山内、古社や祠にお参りしながらひとめぐり。
これが「お山めぐり」です。
稲荷山では、山頂まで続く石段の参道をえんえんと登ります。
また、山頂まで登って、麓に戻ってくるまで1時間半~2時間程度。
ちょっとした登山になりますので、歩きやすい靴・服装で臨みましょう。
お山めぐり順路
お山めぐりの起点は、伏見稲荷大社の境内奥、千本鳥居を抜けた先の奥社奉拝所。
ここから山頂に向けて石段がのびています。
途中、熊鷹社、四ツ辻などを経て、7つの神蹟が残る奥のエリアへ。
その最奥にあるのが、稲荷山最高峰・一ノ峰(山頂)です。
熊鷹社
奥社奉拝所から参道を10分ほど登ると、まずは熊鷹社に到着。
ここは、熊鷹大神と呼ばれる神さまが鎮まる社。
新池と呼ばれる大きな池の畔にあり、拝所も設けられています。
四ツ辻
4本の参道が交わることから、付いた名前が「四ツ辻」。
麓から登ること約30分、山頂までの道中の中間地点にあたります。
木々の間を縫うように参道が続く稲荷山の中で、ここだけはちょっと開けています。
眺望もよく、西に広がる京都市街を見渡せます。
茶店もあり、ひと休憩入れるのにちょうどよい場所です。
四ツ辻からはのびる4本の参道のうち、1本は登ってきた麓からの道。
もう1本は、7つの神蹟の1つ、荒神峰(田中社神蹟)への参道です。
残り2本は、いずれも、山頂(一ノ峰)へ向かう道。
四ツ辻から先、最奥に山頂があるのですが、四ツ辻と山頂とはループ状の参道で結ばれています。
四ツ辻からの左右2本の参道のいずれを通っても山頂に行くことができますが、行きと帰りでは違うルートを通るとよいでしょう。
なお、四ツ辻から先、山頂も含めた「ループ参道」一周の所要時間は約30分です。
山頂への参道(右ルート)
山頂へ向かう2本の参道のうち、まずは右側にのびるルートからご紹介。
この右ルートでは、3つの神蹟を通ります。
まず、稲荷山の三ノ峰にある、下社神蹟。
白菊大神という神さまを崇めます。
次は、間ノ峰にある、荷田社神蹟。
ここに鎮まるのは、伊勢大神という神さま。
最後に、二ノ峰。中社神蹟と呼ばれます。
ここは、青木大神と崇められています。
山頂への参道(左ルート)
一方の左ルートにも、古い社や祠が並びます。
まずは、御膳谷奉拝所。
稲荷山の3つの峰を拝むことのできる要地で、古くは三ヶ峰に神供をした場所と伝わります。
また、神蹟の1つでもあります。
なお、稲荷山の御朱印はこちらでいただけます。
御膳谷奉拝所の近くには、薬力社という社があります。
ここには「薬力の滝」という小滝があります。
御利益は、薬効・無病息災です。
薬力社から少し先には、眼力社。
その社の名前の通り、御利益は眼病治癒。
さらに転じて、先見の明(眼力)を授かるともされ、投資をされる方などにも人気です。
さらに先には、御劔社(みつるぎしゃ)があります。
加茂玉依姫(かもたまよりひめ)が祀られています。
ここも神蹟の1つで、長者社神蹟と呼ばれます。
社の中には、御神体の大きな剱石(つるぎいし)があります。
稲荷山山頂(一ノ峰)
右・左どちらのルートを通っても、最後には稲荷山山頂に到着します。
標高233mの稲荷山。
さすがは山頂・一ノ峰、二ノ峰や三ノ峰よりも立派な拝所が残ります。
ここも神蹟の1つであり、上社神蹟と呼ばれます。
末広大神という神さまを崇めます。
一ノ峰でお参りしたら、来た道とは別の参道で四ツ辻まで戻りましょう。
稲荷山の基本情報
住所:京都市伏見区稲荷山官有地15
電話番号:075-641-7331(伏見稲荷大社)
入山情報:入山無料・24時間いつでも入山可
アクセス:
(伏見稲荷大社まで)JR稲荷駅から徒歩すぐ、または、京阪伏見稲荷駅から徒歩5分
(稲荷山山頂へは)伏見稲荷大社・奥社奉拝所から徒歩約1時間
ホームページ:伏見稲荷大社