西国街道の要衝にあって古くから栄えた西宮。
歴史あるこのまちには、由緒ある神社仏閣が数多く残ります。
その代表が、今回ご紹介する廣田神社(ひろたじんじゃ)。古くは日本書紀にも登場する名社です。
高い社格を誇る西宮の名社
日本書紀によれば、廣田神社の創建は、神功皇后元年(西暦201年)。天照大神(アマテラスオオミカミ)の荒魂(あらみたま)を祀ります。
日本全国の神社の中でも、特に朝廷から篤い崇敬を受けた社の1つです。
京の西、西国街道沿いにあったことから「西宮」と呼ばれた廣田神社。西宮の地名発祥の由来ともされる名社です。

その名社ぶりは、古くからの社格の高さにもよく表されています。
式内社、名神大社、そして、二十二社と、古代・中世の主な社格に名を連ね、格式では、同じく西宮にある「えべっさん」西宮神社をはるかに上回ります。
また、明治~戦前の近代社格制度においては、最上位の官幣大社に指定されました。
兵庫県内には二社しかなかった官幣大社、廣田神社はそのうちの1つです(もう一社は、淡路島の伊弉諾神宮)。

廣田神社の境内見どころ
広い社領に壮麗な社殿を誇り、多くの人々の崇敬を受けてきた廣田神社。
しかし、太平洋戦争末期の空襲で神社は全焼。現在の境内に立つ社殿は、戦後の再建です。
境内正面には、清らかさを存分に感じさせる純白の大鳥居。
その先に、白い灯籠が並ぶ参道が奥へのびています。

参道を奥まで進むと、正面に、横に大きな建物が見えてきます。これは拝殿です。
その奥には、大きな拝殿の陰に隠れるように、神明造の本殿が立っています。

本殿は、伊勢神宮内宮の荒祭宮(あらまつりのみや)の旧社殿を譲り受け、修繕改築した建物です。
なお、荒祭宮は、伊勢神宮内宮の境内別宮で、廣田神社と同じく、天照大神の荒魂を祀ります。
普段は拝殿の先に入ることはできません。拝殿前から、ご本殿の神さまに参拝しましょう。

廣田神社の境内には、本殿・拝殿の他に、いくつかの境内社(摂社・末社)があります。
その中でも、本殿の左側にある伊和志豆(いわしず)神社は、式内社の1つに数えられる格の高い社。
元は廣田神社とは別の、独立した神社でしたが、大正時代に廣田神社境内に移されました。

阪神タイガースの必勝祈願
また、この廣田神社は、スポーツなどの必勝祈願でも知られます。
有名なのは、西宮市内の甲子園球場を本拠地とする、プロ野球の阪神タイガース。
監督・選手揃っての必勝祈願は、廣田神社の恒例行事。時期は年によって異なりますが、2月下旬~3月に行われることが多いです。
阪神タイガースとのゆかりの深い廣田神社。
境内のあちこちで虎のマークを見かけます。タイガースの勝利を祈願する絵馬もありますよ。

ツツジの名所
廣田神社は、春のツツジの名所としても知られます。
ツツジにもいろいろありますが、ここのツツジは、関西の里山でよく見かけられるコバノミツバツツジ。
紅紫色あるいは薄紫色の花を咲かせます。
江戸時代から知られる廣田神社のツツジ。現在、神社境内には、約2万株ものツツジの群落が残されています。
この廣田神社のツツジは、兵庫県の天然記念物に指定されています。

また、廣田神社の社殿の周囲には、「広田山公園」という名の公園があります。
ここも廣田神社の境内地の一部なのですが、現在は西宮市が借り受けて管理し、市民に開放しています。
広田山公園は、手軽にハイキングなどを楽しめる自然豊かな公園で、その園内にもツツジ群落があります。
ここのツツジの見頃は4月上旬で、ピーク時には、広田山公園の全体がピンク色に彩られます。
なお、廣田神社では、例年、ツツジの開花ピークとなる4月の第2土曜日に、「つつじ祭」が開催されます。

廣田神社の基本情報
住所:兵庫県西宮市大社町7番7号
備考:境内参拝自由
アクセス:
(阪急)苦楽園口駅から徒歩20分、西宮北口駅から徒歩30分
(バス利用)阪急西宮北口駅・JR西宮駅・阪神西宮駅からバス乗車、「広田神社前」下車徒歩すぐ
駐車場:有
ホームページ:廣田神社

