港町・神戸のもう1つの顔、それは「華僑の町」。
日本三大中華街の1つ、南京町はもちろん、その周辺でも中華料理店や食材のお店などをよく目にします。
その中に、神戸在住華僑の方々が、信仰のよりどころとするお寺あり。
それが、今回ご紹介する関帝廟(かんていびょう)です。
スポンサーリンク
祀られるは三国志の英雄・関羽
関帝廟の「関帝」とは、中国・三国志の英雄の1人、関羽雲長(かんううんちょう)のこと。
関羽は、漢朝再興を掲げる劉備に仕え、張飛とともに大活躍した蜀の武将です。
また、主の劉備に対する忠誠を貫き通した「義」の将としても知られます。
中華圏での関羽人気は今も高く、各地で神として祀られています。
なお、優れた武将であった関羽はもちろん武の神。
しかし、その後、年月を経る間に、なぜか、「商売の神」としても信仰されるようにもなりました。
ここ神戸の関帝廟でも、商才優れた華僑の守り神として崇められています。
関帝廟の境内見どころ
この関帝廟の歴史は意外と古く、その創建は1888年(明治21年)。
130年以上もの歴史を誇ります。
ただし、戦時中の神戸大空襲や戦後の火災で関帝廟はたびたび焼失。
本堂など現在の関帝廟の主な建物は、1979年の再建です。
さて、お寺とはいうものの、この関帝廟は華僑のお寺。
赤や黄色、金色などの「中華色」を基調とした関帝廟の境内、かなり派手ですね。
地味なお堂が並ぶ日本のお寺とは、かなり雰囲気が違います。
なかなか特徴的な形をした入口の山門。
この山門をくぐると、その先にもう1つ、これまた派手な門が立っています。
朱色の柱に、金色に塗られた瓦葺き屋根。
これは中門。「登龍門」とも呼ばれています。
なお、登龍門とは、立身出世のための関門を指す言葉でもあります。
この門をくぐってお参りすれば、出世の道が開けるかもしれませんよ。
中門の先に立つのは本堂。
こちらも、中門に負けず劣らずの派手ぶり。
金色の屋根の上、一対の白い龍がよく目立っています。
また、正面扁額の「関帝廟」の文字は、蒋介石の元秘書で、書家としても知られる、于右任(うゆうじん)の揮毫です。
堂内に祀られているのは、本尊の関羽像(関聖帝君像)。
その他、日本のお寺にもよくある、聖観音像なども安置されています。
華僑パワーあふれる南京町
関帝廟と合わせて訪れたいスポットの1つが、南京町(神戸中華街)です。
数多くの中華料理店が軒を連ね、いつも活気あふれる南京町。
神戸の華僑パワーを存分に感じられる場所です。
また、店先にはさまざまな点心が並び、訪れる人の食欲をそそります。
ほかほか点心の食べ歩きも楽しめますよ。
(詳細は、「南京町」のページをご覧ください)
関帝廟の基本情報
住所:神戸市中央区中山手通7丁目3−2
電話番号:078-341-2872
アクセス:
(神戸市営地下鉄)県庁前駅から徒歩10分
(阪急)花隈駅から徒歩10分
(JR・阪神)元町駅から徒歩15分
備考:境内参拝自由
ホームページ:関帝廟(一般社団法人中華会館)