数多くの寺院が残る京都。
その中には、風変わりな名前(通称)で呼ばれるお寺もいくつかあります。
その1つが、千本通り沿いに立つ浄土宗のお寺、石像寺(しゃくぞうじ)。
一般には、釘抜地蔵(くぎぬきじぞう)の通称で知られるお寺です。
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人々の苦を抜く地蔵さま
石像寺は、平安時代の初期、弘法大師空海による創建と伝わる古刹。
ご本尊は、弘法大師が手ずから刻んだと伝わる、地蔵菩薩の石像です。
人々から親しみを込めて「お地蔵さま」と呼ばれる地蔵菩薩。
苦しむ衆生を救うその姿は、多くの仏さまの中でも特に身近な存在です。
石像寺の地蔵菩薩は、もとは、人々の苦を取り除く「苦(く)抜き地蔵」と呼ばれていたのが、なまって「釘抜地蔵」となったとか。
今では、正式な寺名の石像寺よりも、通称の「釘抜地蔵」の方が有名になりました。
石像寺の境内見どころ
石像寺の場所は、京都市街の北西部、南北にのびる千本通りの東側。
通りに面した入口からのびる参道の先、やや奥まったところに境内があります。
こぢんまりとした境内は、普段は静かな空間。
その中に、地蔵堂や阿弥陀堂などいくつかお堂が並びます。
地蔵堂
入口の門をくぐった先の正面には、大きな釘抜が置かれています。
この釘抜の後ろに立つのが地蔵堂。
本尊の石仏・釘抜地蔵を祀るお堂で、石像寺の本堂にあたります。
まずはこの地蔵堂へお参りを。
堂内のお地蔵さんにお参りしたら、地蔵堂を外から眺めてみましょう。
お堂の外には、壁一面を埋め尽くすほど、たいへん多くの絵馬が貼り付けられています。
でも、よく見ると、普通の絵馬とはかなり違いますね。
絵馬板に「御礼」の文字とともにあるのは、2本の八寸釘と、ペンチのような形の釘抜。
この絵馬は、苦しみから解き放たれた人々によって奉納されたもの。
2本の釘と釘抜は、お地蔵さまへの感謝の思いを示しています。
阿弥陀堂
釘抜地蔵の境内には、地蔵堂の他に、裏にもう1つ、阿弥陀堂と呼ばれる小さなお堂があります。
この阿弥陀堂に安置されているのも、石で作られた仏さま。
阿弥陀如来と脇侍の勢至・観音菩薩、阿弥陀三尊の石像です。
これらの石像は、鎌倉時代前半の1225年に作られたもので、彫刻としても貴重なもの。
国の重要文化財にも指定されています。
石像寺(釘抜地蔵)の基本情報
住所:京都市上京区花車町503
電話番号:075-414-2233
拝観時間:午前8時半~午後4時半(拝観無料)
アクセス:
(市バス利用)京都駅・地下鉄北大路駅などから市バス乗車、「千本上立売」下車徒歩3分
(地下鉄)今出川駅から徒歩25分
(京福電鉄)北野白梅町駅から徒歩20分
駐車場:無