京都・東山の高台寺は、建仁寺を大本山とする臨済宗建仁寺派の禅寺。
ここは、豊臣秀吉の菩提を弔うため、秀吉の正室・ねねによって建立されたお寺。今も、秀吉やねねとのゆかりの深さで知られます。
秀吉の妻・ねねが眠るお寺
織田信長の下で出世を重ね、本能寺の変の後には、信長の後を継いで天下統一を果たした豊臣秀吉。
その秀吉を織田家の小身時代から支え、苦労をともにしてきた糟糠の妻が、ねねです。「北政所」、あるいは、「高台院」とも呼ばれます。

夫である秀吉が亡くなると、ねねは、秀吉の冥福を祈るために、この高台寺を建てました。
また、後年、ねねが亡くなると、ねね自身もこのお寺に葬られました。秀吉を偲んだであろうその境内の一角で、今も眠り続けています。

高台寺の境内見どころ
現在の高台寺の境内、季節感あふれる美しい庭園が広がり、また、いくつもの古いお堂が残ります。
秀吉とねねを祀る霊屋など、高台寺創建当時の建物も残ります。
では、高台寺の主な見どころを、境内の参拝順路に沿ってご紹介していきましょう。
方丈
拝観入口を通って境内に入ると、まずは方丈へ。現在の方丈は、1912年(大正元年)の再建です。
方丈の前には、波打つ白砂が美しい枯山水の庭園。庭園を挟んだ向かいには、勅使門が立っています。

高台寺庭園
方丈の東には、2つの池と木々の緑、石組みの調和が美しい庭園が広がります。
開山堂を中心に、その西にあるのが偃月池、東には臥竜池。
回廊途中にある、唐破風のついた小さな建築物は、観月台(国重要文化財指定)。ねねが、亡き秀吉を偲びながらお月見をしたという逸話が残ります。

この高台寺庭園は、江戸時代の有名な作庭家、小堀遠州の作と伝わります。
国の史跡・名勝にも指定されています。

開山堂
庭園の真ん中に立つ禅宗様のお堂。もとは、高台院の持仏堂で、1605年の建築。国の重要文化財指定。
現在は、開山堂の中興開山、三江紹益を祀ります。その他、ねねの兄・木下家定の像や、高台寺の普請を担当した堀直政の像が安置されています。

霊屋
境内北東の高台に立つ、石垣で囲われた建物が霊屋(おたまや)。
ここは、秀吉とねねを祀る霊廟です。1605年の建築物で、国の重要文化財指定。
堂内右には秀吉の像、左にはねねの像が安置されています。また、ねね像の真下には、ねね自身が葬られています。

傘亭・時雨亭
霊屋の東、境内で一番の高所に立つ茶室、傘亭と時雨亭。
茅葺き屋根で古民家のような傘堂は、伏見城からの移築と伝わります。国の重要文化財指定。

傘亭のすぐそばに立つ時雨亭。こちらも国の重要文化財指定。茶室としては珍しい二階建ての建物です。
傘亭と時雨亭は、屋根付きの廊下でつながっています。

竹林
傘亭・時雨亭が立つ高台から下りる際に、その坂の途中に竹林があります。
竹に囲まれた細い坂道。有名な嵯峨野の竹林と比べると距離は短いですが、ここの竹林の道も大変趣があり、参拝客に人気です。

高台寺の基本情報
住所:京都市東山区下河原町526
拝観時間:9:00〜17:30(夜間特別拝観期間は22:00まで)
拝観料:大人600円 中高生250円 小学生以下無料
アクセス:(京阪)祇園四条駅から徒歩10分 (阪急)河原町駅から徒歩15分
ホームページ:高台寺