大阪府藤井寺市の東部には、その昔、土師(はじ)氏という古代豪族の本拠がありました。
今回ご紹介するのは、その土師の里に鎮座する道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)です。
土師氏の末裔でもある、菅原道真を祀る神社。
藤井寺を代表する梅の名所です。
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土師氏の里の天満宮
土師氏とは、4世紀から6世紀の古墳時代、現在の藤井寺市の東部一帯を支配した豪族です。
土師氏の里であったこの地には、氏神を祀る土師社(現・道明寺天満宮境内社、元宮土師社)や氏寺の土師寺(現・道明寺)がありました。
現在も、この地域には、電車の駅名などに「土師」の名前が残ります。
この土師氏から分かれたのが菅原氏。
現在の奈良市菅原一帯を本拠とし、平安時代には、高名な菅原道真を輩出しました。
(菅原氏と菅原道真については、「菅原天満宮」のページもご覧ください)
当時、土師寺に、おば(覚寿尼)が暮らしていたこともあり、菅原道真はこの地を時折訪れていたそう。
太宰府への左遷の際にも、その道中に立ち寄っています。
このようなゆかりの深さから、平安時代、菅原道真を祀る神社がここに創建されました。
これが道明寺天満宮のはじまりです。
道明寺天満宮の境内見どころ
中世には兵乱による社殿の焼失もありましたが、武門の寄進などにより再建。
現在の道明寺天満宮の境内には、江戸時代の社殿が残ります。
また、天神のシンボルといえば「梅」。
そして、この道明寺天満宮にも、もちろん梅あり。
大きな梅園が広がる境内は、藤井寺を含む南河内地方ではよく知られた梅の名所です。
社殿(本殿)
道明寺天満宮の中心である、檜皮葺きの厳かな社殿。
手前の拝殿と奥の本殿が、真ん中の弊殿でつながった構造をしています。
これは東照宮などでよく見られる造りで、「権現造」とも呼ばれます。
奥の本殿は、建築年代不明ながら、桃山時代の部材も使われている古建築です。
主祭神の菅原道真の他、土師氏の祖先神であるアメノホヒ(天穂日命)、道真おばの覚寿尼も祀られています。
一方、幣殿と拝殿は、江戸時代中期、 延享2年(1745年)に建てられたものです。
能楽殿
能楽殿は、拝殿の前に立つ、三方吹き放ちの建物。
江戸時代後期、文化12年(1815年)の建築です。
いわゆる「能舞台」で、実際に能の奉納が行われたこともありました。
現在では、梅まつり時期の奉納行事などで使用されています。
梅園
境内の北側、社殿(本殿)の背後には、大きな梅園が広がります。
ここには、80種・800本もの梅の木があります。
開花ピークの2月下旬には、白、ピンク、あるいは、紅色の美しい花で、園内が埋め尽くされます。
なお、道明寺天満宮では、例年、2月上旬~3月上旬、梅の開花時期にあわせて梅まつりが催されます。
期間中には、奉納行事、宝物館の開館、お茶会、盆梅展などが行われます。
なお、この時期は、梅園の入園が有料(大人300円)になります。
宝物館
拝殿の西側には、道明寺天満宮の社宝を保管する宝物館があります。
宝物館の扉は普段は閉じられていますが、梅まつり時期など期間限定で一般にも公開されます。
注目は、菅原道真遺愛と伝わる硯・鏡などの6点の管公遺品。
国宝にも指定されている貴重な品です。
道明寺天満宮の基本情報
住所:大阪府藤井寺市道明寺1丁目16−40
電話番号:072-953-2525
梅まつり情報:
(期間)2月上旬~3月上旬
(開園時間)午前9時~午後5時(入園受付終了は午後4時半)
(梅園拝観料)大人300円 中学生以下は無料
宝物館一般公開:
(開館日)正月三が日、1月~3月の25日、上記梅まつり期間中の土・日・祝日
(開館時間)午前10時~午後4時
(拝観料)大人300円 小学生100円
アクセス:(近鉄南大阪線)道明寺駅から徒歩3分
駐車場:有(50台)
ホームページ:道明寺天満宮