道明寺天満宮|土師氏の里の天神は、藤井寺の梅名所(大阪名所巡り)

道明寺天満宮・梅園風景 神社(大阪)

大阪府藤井寺市の東部には、その昔、土師(はじ)氏という古代豪族の本拠がありました。

今回ご紹介するのは、その土師の里に鎮座する道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)です。

土師氏の末裔でもある、菅原道真を祀る神社。藤井寺を代表する梅の名所です。

道明寺天満宮

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土師氏の里の天満宮

土師氏とは、4世紀から6世紀の古墳時代、現在の藤井寺市の東部一帯を支配した豪族です。

土師氏の里であったこの地には、氏神を祀る土師社(現・道明寺天満宮境内社、元宮土師社)や氏寺の土師寺(現・道明寺)がありました。

現在も、この地域には、電車の駅名などに「土師」の名前が残ります。

道明寺|菅原道真手彫りと伝わる、国宝十一面観音(大阪名所巡り)
大阪府藤井寺市の道明寺をご紹介。菅原道真とのゆかりの深いお寺で、明治の神仏分離までは隣の道明寺天満宮と一体でした。本堂には、菅原道真手彫りと伝わる十一面観音像(国宝)が残ります。本尊開帳は毎月18日と25日。
道明寺天満宮境内社・元宮土師社

この土師氏から分かれたのが菅原氏。

現在の奈良市菅原一帯を本拠とし、平安時代には、高名な菅原道真を輩出しました。

菅原天満宮|道真公生誕の地に立つ、由緒正しき天満宮(奈良名所巡り)
奈良市の菅原天満宮をご紹介。学問の神さま・菅原道真の生誕の地に鎮座し、菅原氏の氏神を祀る神社。文筆の神としても知られる菅原道真、境内には筆塚があり、3月の春分の日には筆まつりが催されます。奈良の梅の名所としても有名。

当時、土師寺に、おば(覚寿尼)が暮らしていたこともあり、菅原道真はこの地を時折訪れていたそう。

太宰府への左遷の際にも、その道中に立ち寄っています。

このようなゆかりの深さから、平安時代、菅原道真を祀る神社がここに創建されました。

これが道明寺天満宮のはじまりです。

道明寺天満宮の境内
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道明寺天満宮の境内見どころ

中世には兵乱による社殿の焼失もありましたが、武門の寄進などにより再建。

現在の道明寺天満宮の境内には、江戸時代の社殿が残ります。

また、天神のシンボルといえば「梅」。そして、この道明寺天満宮にも、もちろん梅あり。

大きな梅園が広がる境内は、藤井寺を含む南河内地方ではよく知られた梅の名所です。

道明寺天満宮と梅

社殿(本殿)

道明寺天満宮の中心である、檜皮葺きの厳かな社殿。

手前の拝殿と奥の本殿が、真ん中の弊殿でつながった構造をしています。

これは東照宮などでよく見られる造りで、「権現造」とも呼ばれます。

道明寺天満宮・拝殿

奥の本殿は、建築年代不明ながら、桃山時代の部材も使われている古建築です。

主祭神の菅原道真の他、土師氏の祖先神であるアメノホヒ(天穂日命)、道真のおばである覚寿尼も祀られています。

一方、幣殿と拝殿は、江戸時代中期、 延享2年(1745年)に建てられたものです。

道明寺天満宮・本殿

能楽殿

能楽殿は、拝殿の前に立つ、三方吹き放ちの建物。

江戸時代後期、文化12年(1815年)の建築です。

いわゆる「能舞台」で、実際に能の奉納が行われたこともありました。

現在では、梅まつり時期の奉納行事などで使用されています。

道明寺天満宮・能楽殿

梅園

境内の北側、社殿(本殿)の背後には、大きな梅園が広がります。

ここには、80種・800本もの梅の木があります。

開花ピークの2月下旬には、白、ピンク、あるいは、紅色の美しい花で、園内が埋め尽くされます。

道明寺天満宮・梅園

なお、道明寺天満宮では、例年、2月上旬~3月上旬、梅の開花時期にあわせて梅まつりが催されます。

期間中には、奉納行事、宝物館の開館、お茶会、盆梅展などが行われます。

道明寺天満宮・梅園風景

宝物館

拝殿の西側には、道明寺天満宮の社宝を保管する宝物館があります。

宝物館の扉は普段は閉じられていますが、梅まつり時期など期間限定で一般にも公開されます。

注目は、菅原道真遺愛と伝わる硯・鏡などの6点の管公遺品。国宝にも指定されている貴重な品です。

道明寺天満宮・宝物館

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道明寺天満宮の基本情報

住所:大阪府藤井寺市道明寺1丁目16−40

梅まつり情報:
(期間)2月上旬~3月上旬(詳しい日時は道明寺天満宮HPでご確認ください)
(開園時間)午前9時~午後5時(入園受付終了は午後4時半)
(梅園拝観料)大人300円 中学生以下は無料

アクセス:(近鉄南大阪線)道明寺駅から徒歩3分

駐車場:有(50台)

ホームページ:道明寺天満宮

道明寺天満宮地図