現在の神戸市兵庫区の辺りは、古くから知られた港町。
この地には、兵庫大仏で知られる能福寺をはじめ、今も歴史あるお寺が残ります。
その1つが、今回ご紹介する真光寺。鎌倉仏教の1つ、時宗開祖の一遍上人とのゆかりの深いお寺です。
踊り念仏・一遍上人最後の地
真光寺は、平安時代初期に創建された歴史あるお寺。
また、時宗の開祖・一遍上人が生涯を閉じた地でもあります。

一遍上人は、踊り念仏で知られる鎌倉時代のお坊さん。
人々に教えを説きながら諸国を遊行していましたが、その途中で体調を崩し、この地で往生されました。
一遍上人の没後、そのお弟子さんたちによって伽藍が整備された真光寺。
現在も、一遍上人の教えを守る時宗のお寺です。

真光寺の境内見どころ
古くは大伽藍を構えた真光寺。
しかし、昭和20年の神戸大空襲により、当時の堂宇をすべて失いました。現在の建物は、戦後の再建です。
入口の「大檀林」
真光寺の入口には、一般のお寺のような古風な山門がありません。
ですが、門の代わりにわかりやすい目印あり。それは、入口の右手に置かれた大きな石碑「大檀林」。
檀林とは、明治の初期まで存在した、仏教における学問所のこと。
この石碑は明治時代に建てられたもので、現在でも真光寺のシンボルです。

本堂
石碑の先に広がる真光寺の境内には、いくつものお堂が立ち並びます。
その中心は正面に立つ本堂。戦後の1962年(昭和37年)の再建です。
本堂の中にもお参りできます。堂内には、ご本尊・阿弥陀如来が祀られています。

一遍上人廟所
一遍上人がその生涯を閉じた真光寺。
境内には、一遍上人が眠る廟所が今も残ります。

厳かさ漂う廟所の中、その一番奥には、高さ約2mの大きな五輪塔が立っています。
なお、この五輪塔は1995年の阪神・淡路大震災で倒壊しましたが、このとき、倒れた五輪塔の中から、実際に骨灰が発見されたそうです。

六地蔵プラスワン
真光寺の見どころをもう1つ。それは、本堂向かって左手に並ぶ、六体のお地蔵さま「六地蔵」です。
六地蔵とは、六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)にそれぞれ現れて衆生を救う地蔵菩薩のこと。
大きさや顔の表情など六体同じような像ですが、よく見ると、持ち物がそれぞれ異なっています。
また、六地蔵のそばには、もう一体、座っているお地蔵さんの像もあります。
六地蔵と同じく赤いよだれかけをしていますが、赤頭巾はかぶらず。このお地蔵さんは「金仏地蔵」と呼ばれています。

真光寺の基本情報
住所:神戸市兵庫区松原通1丁目1−62
備考:境内自由
アクセス:
(JR)兵庫駅から徒歩10分
(地下鉄海岸線)中央市場前駅から徒歩8分
ホームページ:真光寺