平等院をはじめ、由緒ある神社仏閣・歴史名所が残る宇治のまち。
その宇治の名所の1つが、宇治川の東岸に鎮座する宇治神社。宇治川にかかる橋の東詰、川に向いて立つ朱色の鳥居が目印です。
祭神は仁徳天皇の弟、そのお使いはうさぎ
宇治神社に祀られる神さまは、古事記や日本書紀にも登場する古代の皇子、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)。
菟道稚郎子は第15代応神天皇の息子で、第16代仁徳天皇の異母弟。
応神天皇の没後、次の皇位を兄の仁徳天皇と譲り合い、兄を天皇にするために自害したという話が残ります。
また、道に迷ったこの神さまをうさぎが先導したという言い伝えから、宇治神社ではうさぎが神のお使いとされています。
宇治神社の境内、あちこちで見かけるうさぎの像。手水舎の黒い動物も、よく見るとうさぎです。
また、社務所には、うさぎをあしらった可愛らしい御朱印帳もありますよ。

宇治神社の境内見どころ
宇治川に面して立つ朱色の鳥居。その先に広がる閑静な境内の中、まっすぐ奥へと参道がのびています。

参道の奥、階段を登ったところの正面に、三間四方の建物が立っています。
これは拝殿。桐原殿とも呼ばれています。

拝殿の奥、さらに一段高い位置には、朱色の中門と玉垣に囲まれた本殿があります。
本殿は、三間社流造、檜皮葺の社殿。鎌倉時代後期の建築とされ、国の重要文化財にも指定されています。
本殿には、莵道稚郎子命のご神像が安置されています。平安時代の作とされる木像で、こちらも国重要文化財の指定を受けています。
なお、この本殿の近くにもうさぎがいます。ちょっと見落としやすいのですが、本殿の周りを探してみましょう。

近くには宇治上神社
この宇治神社のすぐ近くに、宇治上神社(うじかみじんじゃ)という、似た名前の神社があります。
現在は、宇治神社と宇治上神社は別の神社ですが、明治初期の神仏分離までは両社一体の存在でした。宇治上神社にも主祭神の一柱として菟道稚郎子が祀られています。
宇治上神社には、国宝指定の本殿と拝殿が残ります。また、平等院とともに、世界遺産「古都京都の文化財」に指定されています。


宇治神社の基本情報
住所:京都府宇治市宇治山田1
備考:境内自由
アクセス:(京阪)宇治駅から徒歩5分 (JR)宇治駅から徒歩10分
駐車場:有(35台)
ホームページ:宇治神社