東経135度の日本標準時子午線が通る、兵庫県明石市。
その子午線の上に、1つの古社が鎮座しています。
それが柿本神社。古の歌人、柿本人麻呂を祀る神社です。
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天文科学館の背後に鎮座する社
子午線の上に立つ明石の名所、明石市立天文科学館。
この天文科学館のすぐ後ろ、人丸山という小高い山の上に、柿本神社が鎮座しています。
なお、天文科学館は昭和時代の建築。
この地に建てられたのはもちろん柿本神社の方が先。
その創建は平安時代の887年と伝わります。
元は現在の明石城の場所にありましたが、明石城築城の際に現在位置に移されました。
明石城を築城した初代藩主・小笠原忠政(忠真)をはじめ、代々の明石藩主から深い崇敬を受けた、明石の名社です。
また、この神社が立つ人丸山は、天文科学館とともに、明石の中でも特に眺望のよい場所です。
ここから海側(南側)を眺めてみましょう。
目の前には天文科学館のプラネタリウム。その向こうには、明石の海と明石海峡大橋も見えます。
本殿に祀られるは「歌聖」柿本人麻呂
天文科学館の真後ろに立つ八脚門が神社の表門。
門をくぐった先の境内、正面には拝殿、その奥に本殿が鎮座しています。
この本殿に祀られている祭神は、飛鳥時代に実在した宮廷歌人、柿本人麻呂。
その歌は万葉集に多数掲載され、百人一首にも選ばれています。
「歌聖」とも称される柿本人麻呂を祀る柿本神社、現在は、学問成就の神さまとしても知られています。
拝殿前には一対の狛犬が置かれています。
阿形と吽形、どちらも鼻を大きく広げた個性的な顔つきです。
石で作られたこれらの狛犬、実は結構古くて貴重なもの。
年代は江戸中期と、この辺りではかなり古い部類に入ります。
周辺名所ご紹介
柿本神社の周辺は、明石の名所が集まる場所の1つ。
神社への参拝と合わせて、次の名所にも足をのばしてみましょう。
明石市立天文科学館
柿本神社のすぐ南に立つ、時と宇宙をテーマとした科学館。
東経135度、日本標準時子午線の上に立つ時計塔は、明石のシンボルの1つ。
科学館一番の見どころはプラネタリウム。
300人収容の広い空間の中で、大迫力の星空を楽しめます。
(詳細は、「明石市立天文科学館」のページをご覧ください)
月照寺
柿本神社のすぐ西にある曹洞宗のお寺。
昔の柿本神社の神宮寺(別当寺)であり、明治の神仏分離令が出されるまでは、柿本神社と一体でした。
月照寺の境内西に立つ立派な山門は、旧伏見城の薬医門。
伏見城から明石城に移築され、さらに、明治維新後にここへ再移築されました。
名水・亀の水
柿本神社の西の鳥居横に湧き出る亀の水は、江戸の頃から知られた名水です。
亀形の樋水口は、享保4年(1719年)に作られたもの。
今も地元の人に愛されるこの亀の水、水を汲みに訪れる人が絶えません。
柿本神社の基本情報
住所:兵庫県明石市人丸町1−26
電話番号:078-911-3930
アクセス:(山陽)人丸前駅から徒歩5分 (JR)明石駅から徒歩15分
ホームページ:柿本神社